時のホテル【公式】

2024.08.22

1回目の訪問

湯どころみのりの外観は近代的な趣を纏い、まるで新たな時代を象徴するかのようであったが、一歩足を踏み入れると、そこには古き良き時代の面影が色濃く残り、懐かしさが胸に迫ってきた。
靴を鍵付きの箱に収め、その鍵を自らの手で管理することになったが、この煩わしさが一種の儀式のようで、何とも風情を感じるものであった。

サウナに入る前、私は儀式さながらにシャワーで体を清め、いよいよメインのサ室へと足を踏み入れた。
そこは25人ほどが収容できるタワー型で、下部には遠赤外線ヒーターが静かに鎮座していた。

「みのりのサ室は暑いですよ」との同行者の言葉が頭をよぎる。

最も暑い場所、すなわち最上段でその言葉の真意を確かめることにした。
確かに、暑い。サ室正面の温度計は90度を示していたが、体感温度はそれ以上であった。
この蒸し暑さは、ヒーター前の石に水が滴り落ちる加湿システムによるものだろう。8分が限界であった。

私は火事場から逃げ出すようにサ室を飛び出し、正面の水風呂に飛び込んだ。13.6度の冷水が、私の熱を瞬く間に冷ましていく。
しかし、その冷たさが指先に痛みをもたらし、1分と持たなかった。

次なる挑戦、2ランド目。
今度は比較的ぬるい場所を選んだが、再び遠赤外線ヒーターの熱波が全身を焼き尽くすように襲いかかる。汗が滲み出て、10分が限界であった。
再び逃げるようにして水風呂へ飛び込んだ。

脳内にエンドルフィンが溢れ出し、「ああ、これが幸福というものか」と、至福の感覚に身を委ねた。

そして、目の前にフィンランド式サウナが現れたのである。
「次はこいつと勝負だ」と意気込んで、3ラウンド目に挑んだ。

扉を開けると、そこは6人ほどが座れる空間であった。右奥に電気式サウナヒーターが鎮座し、床には桶と柄杓が整然と置かれていた。バンカールーバーの存在と、追い蒸しボタンが目に留まる、サウナヒーターの床に近い部分にはロウリュウ桶に水を補充するための水栓が設けられており、このサ室の設計者がフィンランド通であることが見て取れた。

すでに先客が一人、上段の奥でロウリュウの洗礼を受けていた。
私はその様子を観察しながら、3分ほど蒸されることにした。
先客が去った後、私は一度扉を開けてサ室の温度を調整し、再びヒーターを加熱する方向にセットした。
そして、ロウリュウ&追い蒸しボタンを押したのである。
「やっべ!あっつ!」と思わず声を漏らしつつも、限界まで耐えた。

その後、再び水風呂に飛び込むと、脳内の蛇口からエンドルフィンが止めどなく流れ出し、まるで脳が麻痺したかのような感覚に陥った。

かくして、我が大満足のサウナ体験も終幕を迎えた。

時のホテル【公式】さんの湯どころ みのりのサ活写真
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