Shinichi

2022.10.30

5回目の訪問

秋晴れ、快晴である。このような秋の日の朝、北欧の外気浴を味わったらなんてすばらしかろうと、もうサウナに到着する前から先走ってととのいそうな勢い。

30周年を迎えられたそうで、休日料金から500円割引されて入れることができた。おめでとうございます。ちなみに現存するサウナ施設で東京でもっとも歴史があるのは鶯谷のサウナセンターだそうで、2022年時点で49年とのこと。

体を清めつつ、サウナ文化というのは思っていたより最近なんだな、と思いを馳せ、まずはジェットバスで体温を上げる。ジェットバスに浸かりながら、東向きの窓から入り込む朝日に、泡がはじけて水面を跳ねる細かな水がきらめく。一秒間のあいだに何千何万と繰り返されるその様をぼんやりと見つめる。

サウナ室は、30周年を祝う寡黙な男どもで満室になっていて、3セットのうち2セットは、ドアの前で人が出てくる順番待ち。そこまでストレスも感じず、室内の朝の情報番組をなんとなく眺めつつ、頭皮からじんわり汗の書いてくる感覚や、手の甲や前腕に汗が浮かんでくるのを観察する。

体との対話、といえば大げさだけれど、こうして体の状態をつぶさに観察することは日常ではほとんどない。キンキンに冷えた水風呂に浸かり、吐く息が次第に涼しくなっていく様や、足先がピリピリしてやがて無感覚になることも同じで、体を通して自然とマインドフルな状態がやってくる。

そして外気浴も、ととのい椅子がさらに増えたようで待たされることもなく、足を広げてぐったりする。ほどよく冷たい秋風が巻いて体をさすっていくのも気持ちがいい。椅子に座りつつ心臓から勢いよくポンプが作用し、四肢に、そして顔を通して脳など全身に血がめぐられていくのをイメージする。

日々の生活での些末事や、勘弁してよと思いつつぶん投げられまくっている種々の仕事のことも、しばし忘れて、ただ心身が回復していくのを感じる。そうなのだ、人間の心身は、ニュートラルな状態であれば回復するのだ、と当たり前のこと実感として味わう。

最後はトゴールの湯にぷかぷか浸かり、ジェットバスに移ってから水面に爆ぜる泡の様子をまた眺め、最後に水風呂で締める。最高である。思わず「最高……」とつぶやいてしまう。

改めまして北欧さん、30周年おめでとうございます。これからも末永く、寡黙な男どもの癒しの場であり続けることを祈っています。

  • サウナ温度 108℃
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