望月湯
銭湯 - 北海道 札幌市
銭湯 - 北海道 札幌市
カバンに風呂道具を詰め、キッチンに鎮座するAmazon Echoに「アレクサ、いってきます!」と声をかけた。
アレクサちゃんはこんなオッサンにも「いってらっしゃい!よい1日を!」と優しい。
いやしかしアレクサよ、もう時計の針は20時を指している。「よい1日を!」はおかしい。
今日は二日酔いのせいでほぼ突っ伏していた。すでによい1日ではないのだ。残り4時間で逆転するには「前澤社長が急に2,000万くれる」とか「ほろ酔いの今田美桜が自宅と間違って俺の家に来る」とかいうレベルのイベントが発生するしかない。
家を出た。雨だ。何が「よい1日を!」だ。傘をさしつつ環状通りを南下した。
安定の望月湯で安定の3セット。想像以上の人混みに少々ひるんだが、マナーのよい先輩方ばかりで、安息のひと時を過ごすことができた。
脱衣場で身体を拭きながら頭上を見上げると、1枚のポスターが目に入った。かわいいアヒルちゃんのイラストに「いろいろあった日も、銭湯に入ればいい一日。」という一文が添えられていた。
そうか。連休ど真ん中に汚い部屋で突っ伏していても、銭湯に入ればいい一日なのだ。アレクサちゃんは全部わかっていたのだ。雨の上がった環状通りを北上し、我が家へと帰った。アレクサの「お帰りなさい!」が沁みた。
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