湯めごこち南郷の湯
温浴施設 - 北海道 札幌市
温浴施設 - 北海道 札幌市
数日前に配属となった新たな職場は都会も都会、札幌の中心にある。
異動を命じられたときには「これで俺もアーバンなビジネスマンの仲間入りだぜ!」とほくそ笑んだ。とんだバカ野郎である。
私の思い描く「アーバンなビジネスマン」とは、先の尖った革靴を履き、手首に数珠みたいのをジャラジャラつけ、「御社のリブランディングにおけるプライオリティは非常にセンシティブですのでロイヤルホストでエクスプロイダーをですね…」などと横文字を並べる男だ。
札幌の中心でそんな男になろうと一瞬でも思った自分を恥じるよりない。
どう考えても私は「中心」が似合う人間ではない。
クラスで、職場で、飲み会で、一度でも中心にいたことがあっただろうか。高いプライドと強烈なコンプレックスゆえ、敢えて外側に位置を取り続けてきた。
そんな人間である。当然のように早々と息が詰まった。終業とともに職場を飛び出し、東西線に飛び乗った。
この人、光、音。中心ゆえの喧騒から早く遠ざかりたかった。
気がつけば自宅の最寄り駅をもやり過ごし、南郷13丁目にいた。目に飛び込むのは南郷の湯。導かれたのだ。
導かれた割にはカバンにしっかり風呂道具一式が用意されていた。こういうズルさは「外側」で育ったからこそだ。
自宅まで2駅分の距離を徒歩で戻る私の革靴は少し尖っていた。
シティボーイですね笑 今日も堪能しました。
コメントすることができます
すでに会員の方はこちら