【閉店】さかえ湯
銭湯 - 北海道 札幌市
銭湯 - 北海道 札幌市
平均的な人間でありたい。平均的な収入を得、平均的な家に住み、平均的な死に方をしたい。凡庸ともいえるが、世間の厳しさを知ることとはつまり、凡庸であることの難しさを知ることだ。
平均、すなわちミドルクラスである。
「好きなプロレスラーは?」という問いに対して「猪木」と答えることは一見平均的だ。しかし猪木は超一流のレスラーでありミドルクラスではない。かといって「フライングキッド市原が大好きです!」というとちょっと話が変わってくる。したがって平均的な回答としては「ヒロ斎藤」が正解だ。
「好きなジャンプ漫画は?」という問いに対して「ドラゴンボール」「スラムダンク」と答えるのも猪木と同様、実は平均的ではない。かといって「大相撲刑事最高!」というのはアナーキーだ。正解は「アウターゾーン」である。
さかえ湯に初めて足を踏み入れた。極めて平均的で、極めて最高だった。スーパー銭湯と地域密着型小規模銭湯の二極化が進む浴場業界において、本当に貴重なミドルクラス銭湯。大好きだ。札幌だと湯めらんど、月見湯あたりが同系統といえるだろうか。いずれも同じく大好きだ。
広すぎず狭すぎず、混みすぎず空きすぎず、熱すぎずぬるすぎず。
「過ぎたるは及ばざるが如し」という言葉がある。何かうまいことを言おうと思ったが、一切何も思いつかない。それぐらい気持ちが良かった。
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