鷹の湯
銭湯 - 北海道 札幌市
銭湯 - 北海道 札幌市
少し前のことだが、職場で女性の先輩から
「マリトッツォって知ってる?」
と話しかけられた。
(…マリトッツォ?)
全くピンと来なかった私はヤマを張って
「世界三大テノールの人ですよね!」
と答えかけたが、すんでのところで思い出した。流行ってるらしい菓子だ。オズワルドがラジオで話題にしていた。
「なんか菓子ですよね!」
難を逃れた。「なんか菓子」という言い回しのバカっぽさはともかく、その後の会話を続けることができた。ありがとう、オズワルド。
この国では定期的に外国の謎な食い物が流行る。ナタデココにパンナコッタ。記憶に新しいところではタピオカか。
誰しもそうだろうが「流行りに乗るのはダサい」と考えていたことがあった。思春期に特有の患いである。
だがオッサンとなった今は「乗らない」のではなく「乗れない」になってしまった。「流行りに乗るのはダサい」などと斜に構える権利はない。
昨今、サウナブームなどといわれている。
私自身がどう考えているかはともかく、客観的にはブームに乗っているということになるだろう。それを否定するつもりはない。「乗れない」オッサンなのだから、「乗っている」と思われるだけでもありがたいと受け止めるべきなのかもしれない。
金曜夜の鷹の湯。サウナには私と大先輩。
決めつけてしまって申し訳ないが、大先輩はおそらくサウナブームを知らない。求道者のようなその所作はブームとか流行りの枠組みを超越していた。
カッコいい、と思った。
思春期の患いはまだ燻っている。
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