美春湯
銭湯 - 北海道 札幌市
銭湯 - 北海道 札幌市
日曜日。休日。
しかし、体が動かない。心も動かない。男の子の日がまた来てしまった。
だが、今日は夜がもっとも長い日。冬至。踏み出した先にゆず湯が待っている。
行く場所は決めている。美春湯。「美しい春」という言葉が似合う女性的な心配りがいたるところに感じられる、札幌は白石区にあるバンダイスタイルの銭湯。ここでやさしさに包まれたなら、小さいころにいた神様にもう1度会えるかもしれない。
――――――
美春湯は美しい。
「キレイ」でも「綺麗」でもない。「美しい」だ。
たとえば、お客さんが使えども使えども崩れない椅子と桶のピラミッド。
たとえば、ジェットバスの中に沈めてある移動式の椅子。
たとえば、切ってあるゆずが入った袋とぷかぷか浮かぶゆず。そして、香る柑橘。
たとえば、ピカピカに光った銀色のカラン。まばゆい脱衣所の鏡。
たとえば、狭くてもしっかりと汗が流れる銭湯の静寂。その目の前に設置された汗を流すためのシャワー。
美春湯には隅々にまで心配りが見てとれる。だからこそ、客である我々も少しの心配りができるのだ。
こいつは「綺麗」ではしっくりこない。「かわいい」でもない。
やはり美春湯は美しい銭湯だ。これがバンダイスタイルの銭湯なのだから驚くしかない。
――――――
音のない小さなサウナで汗を流し、キンキンキンキンに冷えた水風呂でガンギマッタあと、ゆず湯に入る。
柑橘の香りが鼻に抜ける。
あれ、オレ、なんで落ち込んでたんだっけ?ゆずの芳香が脳をリセットしてくれる。今のオレなら、もしかしたら、明日から、美春湯みたいに少しだけ心配りができる人になれるかもしれない。
そんなふうに思って帰ってきた。
けど、ホワイトベルグがうますぎて、もうなんか全部どうでもいいやー。M-1おもしれー。
美しい上ゆず湯〜(柚)🍋
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