里の森 森のゆ
温浴施設 - 北海道 北広島市
温浴施設 - 北海道 北広島市
スナフキンは言った。
『僕のものではないよ、だけど僕が見ている間は僕のものなのかもね』
彼は一体何を言っているのだろう。残念ながら、私はスナフキンではない。フィンランドに住むハンサムガイではなく、札幌に住むしがない中年男性だ。
だが、札幌のおじさんにはまったく理解できなかったスナフキンの言葉が今日ふとわかってしまった。
そう、『森のゆ』で。
雨があがった曇り空の広がる午前、午後からの仕事を頑張るためには心の栄養が必要だった。
それは自然であり、風であり、森であり、山であり、おふろであり、サウナであり、水風呂であり、外気浴だ。
となれば、『森のゆ』に行くしかない。
サイクリングロードを自転車で駆け抜け、森のトンネルを抜ける。そして、思う。
「この森のトンネルも俺がそう思えば『森のゆ』の一部と言ってもいいのではないか。そうか、ここはすでに『森のゆ』だったのだ」
サ道でもあったではないか。サウナとはサウナ室のことを言うのではなく、サウナと水風呂と休憩を含めてサウナなのだ、と。
『森のゆ』は行きの森と露天の森と帰りのハンモックも含めて『森のゆ』なのだ。【で、写真は森のトンネル】
サウナ室からのぞく森に、楓の赤が映える。森の木々が黄色に染まってきている。新しく導入されたサウナマットもおしりにやさしい。
水風呂で肌の鋭敏さを作り上げ、外気浴という名の森林浴へ赴く。
森の枝葉にできる風紋が美しい。肌に走る風を感じ、知る。風紋は見えないだけで私の体にも作られている。
今見えている、今感じている、今味わっているすべては『僕のものではない』。が、今だけは『僕のもの』だ。これか、これがあのハンサムガイが言っていたことか。
彼の言っていることが心から理解できた瞬間、頭上に青空が広がった。あまりにもできすぎたシチュエーションに、私のささやかなおちんちんも少し照れているように見えた。
帰りにいつものようにハンモックおじさんになろうとロビーに向かう。珍しく3つのハンモックは埋まっていた。
こればっかりは仕方がない。
だが、『森のゆ』は対案を準備してくれている。ロビーから見えるベランダに、ブランコが用意されているのだ。
ハンモックがなければ、ブランコに乗ればいいじゃない。
この面はゆい体験も含めてやはり『森のゆ』が好きだと改めて実感した。
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