金閣寺湯
銭湯 - 京都府 京都市
銭湯 - 京都府 京都市
満月は危険である。すべての生物にとって月の満ち欠けは切り離せぬ自然現象であるからだ。例を挙げるならば運転にも現れる。ととのわぬ心身では普段よりあらぬことが起きやすいといえる。
もっと挙げるならば狼男の話である。満月により現れる怪物は、幽玄の道をゆく先人達の警告なのかもしれない。
理由はどうであれ、バイクに跨がる身としては死活問題に他ならない。
ではどうしたらよいか。
通勤路にあるこの金閣寺湯。まさに金閣寺の向かいにある銭湯である。実はずっと気になってはいたが、間の悪いことにバイクを置けるスペースを確保できず、今に至る。満月に照らされてか、スペースがあるように見えた。今である!
質素な受け付けを通ると、昔ながらの脱衣場の風景が広がる。良い。なんと露天風呂もある。良い!私の筆にまさに今、狼が宿っていることが画面の前の皆様にわかるだろうか?
サウナは露天風呂の手前、水風呂と対面する小さな扉の先にある。
入場すると、全身の毛が逆立つのを感じる。これはなんという暑さか!そしてこのテレビ以外は文字すらない無駄のなさとは!そこに入場する恰幅の良い男性!一礼のあとにストーブに向かってアウフグース!!
その場を去る男性の背中に大神を感じながら、水風呂に向かう。深い水風呂のなかに入る頃には、狼の私はどこにも居なかった。
露天スペースはエバーバンブー(プラスチック製の建仁寺垣)と石組、和風の屋根に天然の湯という出で立ち。横たわる石は贅沢なととのい椅子である。そして何よりこの露天風呂は静かだ。素晴らしい。
3セットを終え、ふと脱衣場にある自販機に目を向けると、なんとイオンウォーターが並んでいた。私は水曜サ活をしてみたいと思いつつも行く先々で見付けられずにいた。ここにあるとはーー!
金閣寺湯の脱衣場で、去ったはずの狼が蘇る。
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