玉光湯 ひじりのね 伏見店
温浴施設 - 京都府 京都市
温浴施設 - 京都府 京都市
いつもより帰りが遅くなったのは仕事の
ためではなくととのうためだ。ラッシュアワーを過ぎ、閑散とした国道171号線をバイクとともに疾走る。はやるきもちは私達よりはやく目的地へ着いていたことだろう。
ひじりのねの回数券は折り返しのコーナーを曲がる。まずはタワーサウナで眠ったままの身体を叩き起こすと、次にはオートロウリュの試練が待つ。迷わず最上段に登ると、腕、そして指先までにあるはずのない羽根の束がわななくのを感じる。嵐を前にして悦ぶそれは恐れ知らずの者にしか得ることのできぬ贅沢である。
外気浴をしていると、ひやこいそよ風がジャズの音楽にあわせて踊っているのを肌で感じる。いたずらっ気のあるステップだがとても心地よい。だが私は誘いも程々に立ち上がり、最終セットはフィンランド式を選択する。あんたも好きねと、 彼女のあきれたような声が聞こえた気がした。
その後の外気浴は、さっきより......少し冷たい態度だった気がする。
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