弁天湯
銭湯 - 東京都 新宿区
銭湯 - 東京都 新宿区
偶数日なので先週見送った弁天湯に辿り着く。
まだ少し開店時間に早いかと思って到着すると、もうご近所の皆さんの列ができていて一人ずつチェックインをしていた。
さすが新宿地元でも人気の銭湯。表通りになく看板もひっそりとしているのにこの賑わい。
かれこれもう10年以上、この土地に縁あって仕事をしているけれど脱衣所ではお得意さんの顔ぶればかりで少々気恥ずかしくなる。
以前は遅めの時間に来たけど、オープン直後は一番風呂を求めた見知った地元マダムで溢れかえっていた。
一通りご挨拶を済ませてようやくカランに着席。
そうそう、私の地元新中野にもかつてこんな風に土地の人達と混ざり合う、「偶然の待ち合わせ場所」があったな。
銭湯とは、他の何とも異なる稀有な場所だった。コミュニティでもないし、流動的な個の空間であるのに、そこに人との接点が生まれ、それがそれぞれの日常に湯の温度とは違うあたたかさを添える。
長年お知り合いのおしゃべり大好きマダムに誘われ内湯でお話をしていたら、ついつい茹だる。
ああ、今日はこういう日なのだ。
ルーティーンを崩すことも時にはあった方がいい。
じゃあねちょっとサウナ行ってくる。え〜あんたサウナ入るの?私交代浴だけなのよ。そうなんだ、じゃあ、また水風呂でね。
3セット
二段、コンパクトな作りには場所取りタオル。あら、どこに腰掛けようか。下段の小スペースに着座。
下茹でどころか結構浸かっていたのですぐ汗が出て、熱めに感じる。これは一周厳しいかもしれないなというのが1セット目。
テレビには野球中継が流れていて、渦中の坂本勇人が映っていた。
サ室内ではひたすらに巨人の敗北を望んでいる会話が聞こえてきて、ジャイアンツに身内でもやられたんか??とその過激さに内心笑ってしまった。
水風呂。あーちょうどいい。長めに浸かりたかったタイミングでベストな温度。
バイブラなしなので自分で攪拌。沁みる。
露天にて休憩、一番奥のイスに腰掛ける。休憩客はなし。外湯に浸かったマダムから声を掛けられる。いつもならベクトルを内向きにする時間だけど、こんなととのい方もたまにはいいな。とても人間らしくって。
それからも誰かとコミュニケーションを取りながらの風呂だった。
人生のパイセンの話は聞いていて飽きない。
浴室は常に満員。新宿と言ってもこの界隈には長く住んでいる方が多いし、さすが愛されている新宿弁天湯。
帰り道、古き良き住宅街から天神様の階段を下る。高台になったそこから見渡せるのは超高層ビル。過去と未来の狭間。時の隙間で、いま感じているからだの火照りと、風の心地良さだけを抱きしめる。
女
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