【閉店】よみうりランド 丘の湯
温浴施設 - 東京都 稲城市
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【サウナ行ったら、天才になった話】
「サウキン、お前もう休んだら。」
戦力外なのかもしれない。
年末からこの今月まで駆け抜けた。
尊敬する上司は嫌な顔もせずサラッ気遣ってくれる。
もう休もう。そろそろダメになるから。
先週は相方関連のご挨拶。小生には気が抜けない日々が続きすぎた。ここらで一息したい。
この休みを使って、日帰り遠征サウナでもしようか。……先輩、上司が踏ん張る姿が頭をよぎる。
己の不甲斐なさにカラダが震える。
気づいたらジムに。
ガムシャラに12kgダンベルを執拗にカールさせる。
もう上がらない……その時にふとシゴトのことが脳裏に浮かぶ。
「この……クソがっ……!!」
脳裏の残像を玉砕させる瞬間、上がらなかったダンベルが扇の軌跡を描く。
すっきり。いや、もはや放心。
時は15時半。サウナ遠征は難しくなった。
遠征感が欲しい。そのとき、あのサウナがパッと浮かんだ。
一人ゴンドラ。
サウナするために、ゴンドラ。係員が不審感を抱いている。
もういいから。ダメになれそうに己に羞恥心はない。
丘の湯。さっそくサ室に。
広い。棚田を彷彿とさせる段々サウナ。
平日とあって誰もいない。
12分を最上段。あっという間。
水風呂。うわっ、えぇ具合。感覚的には改良湯。でも水深が深めで1セット目からバックブリーカー体勢突入。
外気浴。なんや、この椅子タイプではないがベンチが至る所に。さっそく瞑想。
坐禅を組む脚が熱も帯びて、冷たい冷気とコントラスト。この湯気が沸き上がるカラダを見ると、自然と英気が湧いてくる。
これを4セット。ラスト外気浴は寝転び座敷で。
よく見ると雲がかかった夜空。この3ヶ月見ていたのはデスクモニター。
このモニターには何もチャートも数字もない。ただのくすんだ黒。
完全リセット。武藤敬司のTRIUMPHが脳内再生開始。雲が視界から逃げてゆく。これは……
サビが来た瞬間、くっきりとした黒に変わった。
不甲斐なかった己の姿はどこかへ消え去った。武藤のように「GENIUS」で王様の風格が。
気づかなかった。筋トレでパンプアップした上腕二頭・三頭筋がっ!腹斜筋がっ!
圧倒的高揚感。
見ろや、この我がサウナ金融マンのサウナ道、略して「サウキン道」
「俺は弱くない。」
つぶらな瞳には、ほんのり熱いものがこみ上げていた。[完]
P.S. 帰りもゴンドラ。前後にイチャつくカップル。こんなサウナ後に見るイルミはエモすぎた。
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