サウナしきじ
温浴施設 - 静岡県 静岡市
温浴施設 - 静岡県 静岡市
名古屋駅できしめんを啜り、東海道線を北上する。あっという間の名古屋旅であった。しかし、これはまだ序の口というやつである。浜松を出たあたりで車掌からアナウンスが入る。「島田駅で落雷による停電によりダイヤが乱れています。」
静岡駅に到着したのは一時間程遅れてのことであった。うまくいかないことも18きっぷ旅ではまた旅のスパイスであるかもしれないが、このスパイスは不要である。時刻表とのにらめっこをしつつ、バスに乗り換える。約15分程でその地にようやく私はたどり着いた。
サウナしきじ。サウナーなら知らぬ者はいないそれは聖地などと呼ばれる。当分行くことはないのだろうと考えていたのだが、来てみればこうもあっさりしたものか。静岡駅から近かったのはこれ幸いだと思う。
平日の昼下り。地元とかなら年金暮らしのおじいちゃんや夜勤のおっさんなどがポツポツいる程度。しかしながら聖地の名は伊達ではない。駐車場には所狭しとクルマやバイクが留まり、軒先にも人々がたむろしている。これはどういうことなのか。
番台にて1400円を支払い、靴鍵とロッカーキーを交換。館内着を貰いいざ入館。僕に滞在出来る時間は多くない。18きっぷで東京に戻ること、東海道線の遅延、此等を考慮すればもって3時間が限界だろう。急いで脱衣を済ませ、浴室へ。
最初に鼻につく薬草の香り。そして浴室中央に並ぶチェアの数々。そして入って右手に見えるあの「滝の落ちる水風呂」。こここそが聖地である。などと感動する時間ももったいない。早速体を清め、いざサウナへ。最初は正面左側の高温サウナ。
といっても名古屋のホテルサウナと違い、かなり柔らかい熱につつまれる。室温計は確認していなかったがまず90℃以上あるのではないか。なのになぜこうもサウナの熱が心地よいのか。本物のサウナは熱に品があるような、そんな上品な熱気なのだ。これは形容しがたいがとにかく素晴らしい熱であることはわかって欲しい。
水風呂。聖地たらしめる水風呂とはなんだろう。汗を流し、足を入れる。フワッとした柔らかさに包まれる。一瞬であったが、これが「しきじ」であることの理由は直ぐにわかった。天然水に浸かるという贅沢の極み。そして「この水は飲めます」という張り紙が示す水の美しさだ。飲んでみるとさらに駆け巡る柔らかい水が体の内外両面からさらなる気持ちよさを与え、衝撃と変革を脳に刻み込む。さらに滝の真下に移動し、体の内外から冷えた先に文字通り「頭を冷やす」。これでととのわずに一体なにでととのえというのだろうか。
文字数が足りない。ともかく聖地に一度足を踏み入ると、次はいつ行こうと考えてしまうのである。
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