せどらない男爵

2021.03.29

2回目の訪問

怒りの苦さまた青さ
四月の気層の光の底を
唾し歯軋り行き来する
俺は一人の修羅なのだ

宮沢賢治の『春と修羅』の一節、これがいつまでも脳裏をよぎって止まらない。今日の俺は修羅である。周りの人々への怒り、どうしてもおさまらぬ、どうにもならぬ感情が畏怖にも似た、吐きどころのない鬱屈へと変わっていく。そんなものを俺は溜め込んでいた。怒りの苦さまた青さ。

こうなるとね、サウナに行くしかない。サウナは一人になれる空間。その意味がだんだんと分かってくる。

平日早朝。こうなるとマルシンスパ以外ありえない。普段は常に混んでいると聞くが、朝は本当に人がいない。まして日の出の空は美しい。都市の合間から富士が見え、ポルヴォの精霊たちに翻弄されつつ邂逅しながら、それに耽美してしまう。四月の気層の光の底にて。

下界には人の築いた絢爛たる建物たち。そこには年季を帯びたものも多く、俺は(およそその時期に建てられたものでもなかろうが)高度経済成長の狂乱と乱痴気ぶりを思ってしまい、とち狂った人々に悲しげな唾棄を覚え、唾きし歯軋り行き来する。

だがそれですら酔狂に過ぎない。そうして自分だけマトモであると安堵することこそ、最も愚かな愚者であるということ、それこそ一つの真理(ダルマ)であるのだ。そこに激怒すべき相手はおらず、また俺もおらず、かくして俺は修羅となる。それがととのいの境地なのだ。

今日の気分はそんな感じ。発見があるとすれば、あそこのlkiストーブ、中央と真前の左側の小さい石の所が良く鳴ってくれるんだね。

0
65

このサ活が気に入ったらトントゥをおくってみよう

トントゥをおくる

トントゥとは?

ログインするといいねや
コメントすることができます

すでに会員の方はこちら

サウナグッズ

アプリでサウナ探しが
もっと便利に!

サウナマップ、営業中サウナの検索など、
アプリ限定の機能が盛りだくさん!