せどらない男爵

2021.02.12

1回目の訪問

皆さんサウナを想像してみましょう。
あなたはサウナに入る直前。ここで辺りを見回してみてください。どんな光景が思い浮かぶでしょうか。
私ですか? そうですね……部屋ですかね。部屋。ドシー恵比寿はそんなところ。だけど度肝を抜かされた。ここはいろいろとすごい。

まず他のサウナにおいて、浴場にあたるエリアがシャワーとサ室しかないのだ。いや、ここではロッカー、ましてや洗面所までエリアとして含まなければならないだろう。スペースとしてはシャワーで身を清め、ととのい、これからの仕事などに踏ん張っていくための場所という感じで、一見サウナーがととのうための場所とは想像し難い。だかここには他にはない大きな特徴があるのだ。

サ室に入ると、いきなり素晴らしい体験をする。私はほぼ12時ジャストに来たのであるが、おそらく他のサ室に比べ、人がいないという条件が同じであろうとも、それ以上に驚くほどの静かなのである。まるでサ室そのものが静寂を抱擁しているかのようだ。ミントの香りが心地よく、底へ、底へと落ちていける。

先程ロッカーまでエリアとして加味しなければならないと書いたのはこの静寂故であり、他の方が脱衣している音、物を置いた音までこのサ室へと届いてくるからだ。
茹で上がり茫漠とした脳から伸びる聴覚系の神経は、静寂を感受しているが、確かにその日常音をしっかりと聞き入れている。他の静寂系サウナと異なるのは、ロッカーでのやりとりが日常的な音として聞こえるからであり、サウナ、温泉でゆったりと非日常を享受しながら発される音とはまた違った静寂を生み出す点にある。
雑音にも思えるそれは音楽の盛り上がりを助長させるものだ。セルフロウリュをすれば焼き上がり、舞い上がるかのような蒸気の音にうっとり聞き入ってしまうが、その時、その直後に訪れる静寂を聴くこと(普段の数倍は心地よく聞こえるはずだ)。そう、これこそがドシー最大の魅力なのである。

冷却は水風呂がないのでウォーターピラーにて行う。冬ならば常温一択だ。凄まじい冷水が一直線、頭上から伸びるように落ちてくる。
まずは一礼するかのようにして頭部からくらう。次に胴体に冷水をぶち当て、脚部にも軽くあててやる。最後に「押忍」のポーズをとるようにして首元に水をあて、そこから伝うように全体を冷やしていく。そして最後に一礼。
これが私が試したなかで見つけた最適解、「一礼の構え」である。

そうして外気浴、ないし室内休憩をしてみればもう、景観など拘らずとも陶酔しちまうってわけなのさ。

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