くちたす

2019.12.28

1回目の訪問

「サ活」という言葉を知った日

もうすぐ年も明けるという日の寒い夜、自分と友人も二人は意味もなく上野駅に降り立った。
正確に言うと次の日の昼過ぎに都内で用事があったので全く意味がない訳では無かったのだが、少なくとも前日夜のもうすぐ日にちが変わるような時刻に家を出る必要は全くない。
所謂若気の至りというもので、特に目的地も定めずに人気の無い夜の街を歩き始めた。
赴くままに上野駅から始まり築地、銀座、東京タワーと進み、途中に目についたお店で飲み食いするのは存外に楽しかったのだが、南青山に着いた辺りで、徹夜で15㎞程歩き続けた自分らの体力は限界が近づいていた。
時計を見ると、もうすぐ世も明ける頃であり、流石にどこか安い寝床を探すことにした。
とは言ってもそこは南青山。すぐ近くにカプホやネカフェのような庶民的なものはなく、検索範囲を広げてやっと見つけたのが「マルシンスパ」だった。
どんな施設か詳しくはわからないが、とにかく浴場と仮眠スペースが安価で利用出来るとの事で、最後の力を振り絞り5㎞程離れたマルシンスパに到着した。
「天空のアジト」とは随分大層だなとも感じながらエレベータを上ると、こじんまりとしたフロントが目に入る。
とにかく疲れていた自分らは更衣室で服を脱ぎ、一目散に浴場に向かった。
浴場に向かうまでの短い間、通路の壁に貼ってあるポスターや張り紙に「サ活」「ロウリュ」「熱波師」「オロポ」「ととのう」などと言った見慣れない言葉が並んでいたが、それに疑問を抱く程の体力は残っていなかった。
浴場に入ってまず思った事が「湯舟が小さい」である。
それとは逆に広くて深い水風呂を見て「どうして水風呂はこんなに立派なんだ」と憤りに近い感情を抱いた。
それも仕方なく、サウナの良さなんて全く知らなかった当時の自分にとって、水風呂なんてものは苦行に他ならず、「水風呂に割くスペースがあったら湯舟を増やせ」とさえ思っていたのだ。
仕方なく狭い湯舟で身体を温め、せっかくなのでサウナも利用することに。
奥行きのある部屋の中央に円柱のサウナストーブがあり、ひし形の窓が並ぶそのサウナ室自体は良い雰囲気だと感じたが、やはり当時の自分にとってサウナは熱いだけであり、少しの間入ってすぐに出た。
その後、ここまで水深のある水風呂というのも初めてだったので、興味本位で入ってみたのだが、これもただ冷たいだけであり、何が良いのか分からなかった。
背もたれが大きく倒れた椅子で外気を浴びるのは気持ち良かったが、結局その後は何度か湯舟で身体を温めただけで、浴場を後にした。
(続きはコメント欄)

5
0

このサ活が気に入ったらトントゥをおくってみよう

トントゥをおくる

トントゥとは?

他2件のコメントを表示
2020.11.28 04:29
0
(1/5)仮眠室で疲れが取れた自分は、マルシンスパについてより詳しく調べてみた。 それほどに、水風呂とサウナがメインを張っているこの施設の浴場の構造は奇妙に感じたのだ。
2020.11.28 04:29
0
(2/5)調べていく内に「マルシンスパはサウナ施設であること」「サ活という行為について」そして「マルシンスパはサウナ好きにとっては聖地のような施設であること」を知る。 正直言って、先ほど入った浴場の何が「聖地」なのか理解が出来なかった。ただの小さな浴場じゃないか。
2020.11.28 04:30
0
(3/5)しかし、様々な記事や感想を見るに、この施設の人気ぶりが本物であるという事も事実。 この小さな浴場を「聖地」と感じさせるサ活とは一体何なのか。 そのサ活が目的とする「ととのう」とは一体どんな状態なのか。 好奇心が旺盛である自分は、今度試してみようと思ったのだ。
2020.11.28 04:30
0
(4/5)ここまで書いておいて申し訳ないが、自分がサウナの良さを知るのはこれから数か月後の事である。 しかし、サ活にどっぷりとハマり、週何回もサウナに行くようになった今の自分が思うに、私がサウナ好きになったキッカケは間違いなくこの日である。
2020.11.28 04:31
0
(5/5)思いつきで都内を歩き、たまたま入ったマルシンスパ。 これが、私がサ活に出会った運命の出来事に他ならない。
ログインするといいねや
コメントすることができます

すでに会員の方はこちら

サウナグッズ

アプリでサウナ探しが
もっと便利に!

サウナマップ、営業中サウナの検索など、
アプリ限定の機能が盛りだくさん!