しろくま

2024.07.06

2回目の訪問

七夕間近の今日この頃、常時ロウリュ中の外界の熱量から逃れるように100度に迫るサ室で汗を流して冷を手に入れる謎極まり無い所業に勤しんでいたのです。
そんな事よりもとにかく織姫を探せ、生物としての目的を果たす努力をしろと家系の者たちが暗黙のプレッシャーを私にかけ続けて来る中でも断固たる決意でサウナに行く私の勇敢な背中は逃げ傷だらけなのであります。
だって今年もう愛知から逃げてきてるし。
この施設に求めるは11度台の水風呂、そうなのです、ここに避暑地があるのです。
1時間単位でロウリュサービスがあって、夏なのに蒸し暑さを更に求める修行僧が雁首揃える中、私も気づけばそっち側の人になっていたと気付いてしまったのです。
いかにもコミュ銭湯力高めな者たちが受付やらロウリュやらとやけに眩しいスタッフに目が眩んだ後にサウナに行くのです。
この施設にお湯という概念はないのですが、夏場ともなればそんなものは不要、もはや水風呂があるだけでそこがオアシスなのです。
サ室の薪ストーブがお出迎えしてくれる扉の向こう側は夏の扉なのです。
フレッシュフレッシュフレッシュ♪とか頭の中で流れ出す始末、熱さがとめどなく私に襲いかかるのです。夏より熱い時間を過ごすうちに汗が噴き出て来る事を私は雑念を解き放つ事と結びつけたのです。
雑念なき身に水風呂の冷たさは心を軽井沢に飛ばしていったのです。
ロウリュサービスの時間はどうやら花をテーマにしてとにかく花にちなんだ要素をオラオラとゴリ押しして来るような内容でありました。
ミモザの香りが特によかったです。ゴスペラーズのあの名曲が頭の中を流れてその淡い恋心を歌った歌詞にキレ散らかしそうになりました。
憤怒はサ室に置いて精神滅却をしなければそのサ室に赴いた信念を裏切る事になる、それは決して許されないとかなんとかで自己洗脳を済ませてそそくさとサウナを回していたのです。
外気浴の心地よさは世界の広さと深さを感じるものでありました。もはや宇宙が見えていたようであります。
サクッと濃密なサウナを堪能できて1000円ちょいとはなんという素晴らしい密度なんだと感動したのです。
つい先日31歳になってしまった己の人生計画とは全然違う現実を痛感し、その不甲斐なさに武者震いしていたのです。
サウナフィルターを通すと31歳で自分の楽しみを持って人生を過ごせているなら超絶御の字じゃん、ええやんと随分前向きになるものであります。ええやん。なっ。
年々「結婚」という特級呪物が私の精神に負荷を強めている時に対する反転術式は今サウナしかないのです。
前橋にある本店にも、丸っこい豚さんの着ぐるみで子供にモテまくった懐かしい思い出を抱えて行きたいなと思いました。

  • サウナ温度 97℃
  • 水風呂温度 11℃,17℃
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