ぶっころりー

2024.11.04

1回目の訪問

基本的にくじ運のない私だが、昨年の会社の忘年会で何かに覚醒したのかエクシブの招待券を当てた。旅館に宿泊なんて10年に一度くらいで基本はカプセルホテルで十分な男だ。
そんな人間が箱根で一泊するなど非常に稀な体験で、玄関のドアマンにビビり部屋の広さに驚きバイキングの値段と美味しさに衝撃を受けた。何じゃこりゃあとステーキを食べ続ける姿は側から見たらさぞ奇妙だったに違いない。

腹が膨れたところでサウナの時間だ。3連休の最終日に宿泊ということもあり館内も浴室もかなり余裕がある。普段メリットばかりで碌な扱いをされない毛髪がシャンプーで喜んでいるのが分かる、これで頭皮とララバイするまで時間を稼げただろう。

サウナにもやはりというか人がいない。水風呂で遊んでいた童の声が浴室に響いている。最上段に座っても中々汗が出ないのでタオルで旋回してみる。10分ほど粘って水風呂へ向かう。空気が混ざればすぐに反応するストーブで助かった。

水風呂付近には灯りはなく、さらに裸眼の私には黒い水面がゆらゆらと揺れているようにしか見えない。これで視力が良ければ立体的に把握ができるのだろうが、なかなか難しい。メガネのある時代に生まれて良かったなと感謝をしながら、童が持って遊んでいた手桶を貸してもらい汗を流す。

水温計は17℃前後を指していた、体感的にもドンピシャだ。久しぶりのサウナからの水風呂に思わず呻き声が漏れる。その様子を見ていた童がそっと入ってきたが膝の下あたりで凍りついたように動きが止まり逃げていった。近くにいた父親らしき男性に会釈をして露天は向かった。

露天は三日月の湯というらしいが、生憎夜空には銀色の雲が点々としていた。雲が流れて時々星は見えるが月はどこにもない。ぼーっと眺めながらぷかぷか浮かぶ。贅沢にも程がある。

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