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2024.03.22

1回目の訪問

私の原体験施設。
高校生だった90年代後半。部活のない夏休み、冬休みは毎週のように行っていた。
お店をひとりできりもりしていた祖母の休みは火曜日のみ。
火曜日になると母子家庭の我が家にたくさんのお菓子を持って電車でやってきた。
そんな祖母を母が駅まで迎えに行き、そのまま東名厚木健康センターへ。
祖母はビールを飲みながらカラオケを楽しみ、私は横でお菓子をたくさん食べさせられていた。もう高校生。昔と違ってそこまでお菓子を求めていない。なのに無理やり食べさせようとする祖母の姿があった。カラオケ仲間の常連らしきおじいちゃん、おばあちゃんから「お孫さんと一緒でいいですね」なんて言われて得意気な祖母。帰りは近くのラオックスでゲーム買ってもらったこともあったな。

大学生になった00年代からは都合があえば私が駅まで迎えに行き、そのまま東名厚木健康センターへ。
祖母と母が昼から美味しくビール飲みながら宴会場でのショーで大盛り上がり。
まだスマホもない時代。手持ち無沙汰な私はマンガを読んでただ時間をつぶす。
社会人になってからも火曜日が休みの時は相変わらず3人で出かけていた。
親孝行とばあちゃん孝行のつもり。
私にとっての東名厚木健康センターは、サウナ施設よりもおばあちゃん達が宴会場でワイワイする場としての認識でしかなかった。

そんなこんなで時代は令和。東京暮らしももう少しで20年。最近サウナ好きの友人複数人からやたらと東名厚木健康センターの名を聞く。
なんでもサウナのメッカらしい。

あのおばあちゃん達のたまり場が?
嘘だろ?
若者達がわざわざ時間をかけて訪れる?
冗談だろ?

昼はおばあちゃん達が時間をつぶし、夜はトラック野郎達が英気を養うのが東名厚木健康センターじゃなかったのか?
耳を疑った。久々に厚木に行こう。この目で確かめよう。

驚いた。
サウナハットをかぶった若者であふれている。

でも安心した。
宴会場はやっぱりおばあちゃん達であふれている。
東名厚木健康センターは多様性のかたまりだ。

サウナを味わい、宴会場で一休み。
ダメだ。のんびりできない。リラックスできない。
思い出が一気にあふれてくる。
宴会場のおばあちゃん達の中に祖母を、母を探してしまう。
母は13年前にクモ膜下で倒れて以来施設暮らし、祖母は三回忌を終えたばかり。
こんなとこにいるはずもないのに。
泣いた。ひとりで良かった。
東名厚木健康センターはタイムカプセルだった。

15年ぶりにきて良かった。
ここに来ればいつでも祖母や母に会える。
きっと宴会場のおばあちゃん達の中にまぎれていつも談笑しているはず。
また会いにきます。

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