天然温泉 海辺の湯
温浴施設 - 千葉県 富津市
温浴施設 - 千葉県 富津市
今日のととのい 40%
(10点満点)
サウナ 6点
水風呂 5点
外気浴 5点
内気浴 4点
お風呂 7点
休憩所 5点
コスパ 7点
接客 8点
富津の海辺に、それはひっそりと、しかし確かに存在していた。
天然温泉 海辺の湯。温泉とサウナと外気浴と、あと少しの郷愁。
車を降りると、海の匂いが鼻を突いた。磯の香りだ。いや、イソノ家の話ではない。
今日は平日、午前10時過ぎ。いたのは数人の上品なおじいちゃんたちと、僕だった。
お湯は黒い。まるで昨日のコーヒーをこぼしたような色をしていて、やや文学的だ。
露天風呂に身を沈めると、渦を巻く湯気の向こうに海が広がる。
波の音と循環するお湯の音が、だんだんと同じリズムになっていく。
そのうち、自分が海なのか、風呂なのか、ただの気泡なのか分からなくなってきた。
サウナは新しい。こじんまりとしていて、何かこう、「俺たちだけの秘密基地」感がある。
遠赤外線の90度。ちょうどいい。
そして水風呂へ。18〜20度。冷たすぎず、ぬるすぎず、人生の中間地点みたいな温度。
3セットやった。決して悪くない。けれど「ととのう」というより「ゆるまる」感覚だった。
外気浴は、木製の長椅子がひとつ。
「孤独」と名付けられてもおかしくないその椅子は、僕の背中をやさしく支えてくれた。
いや、たぶん気のせいだ。
でも海を眺めながら、ぼんやりと目を閉じていると、あらゆるものがどうでもよくなってくる。
そう、あの電気代の請求書でさえも。
内気浴はやや物足りなかったが、お風呂は良い。
黒湯のぬるりとした感触が、全てを赦してくれるようだった。
休憩所は、うん、まあ、普通だ。椅子はあった。お茶もあった。ありがとう。
最後に接客。これは良かった。
受付のお姉さんの笑顔が海のように広かった。いや、それは言い過ぎかもしれないが、
少なくとも東京湾くらいはあったと思う。
というわけで、今日は「ととのい」というより、「ほぐれ」を楽しんだ一日だった。
サウナで「シャキッ」としなくてもいい。ときには「フニャッ」とする日があってもいい。
海辺の湯さん、心と身体を、海のようにゆるやかにしてくれて、ありがとうございました。
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