2020.09.23

1回目の訪問

【ウェルビー栄】

サウナ施設には様々な形態があるが、コンセプト感という点で群を抜いて素晴らしいのがこのウェルビー栄である。『日本でもっともフィンランドに近い場所』というキャッチコピーに嘘偽りはない。浴室の内装にここまで拘り抜いたサウナを訪れたのは初めてである。全体的に照明が落ち着いており、随所に木の温もりを感じることができるその誂えからは、入浴者の心からのリラックスへの配慮と、作り手のサウナへの愛情をひしひしと感じることができた。

サウナは薄暗く、奥に座るとテレビの音がそれほど聞こえない。奥には外の浴槽とつながっている箇所があり、水の音が聞こえてリラックスできる。また、目立たないところではあるがサ室に備え付けられた時計がデジタル時計であったことには感動した。赤のLEDで点灯している現在時刻は遠くからの視認性も高い。「あれ、今あの時計7分?8分?」と言いながら12分計を確認しにいく行為は今となっては完全に過去のものである。全てのサウナにデジタル表記の時計が配置されることを僕は切に願う。ついでに元号ももう令和で終わりにしてほしい。誰が得するんだあの制度、あんなのがあるせいで『昭和生まれなのに未だに独身のやつは平成ジャンプ』とか言われて筆者が馬鹿にされる羽目になるのだ。

話を戻そう。ロウリュウサービスからもまた違った点で感銘を受けた。熱波師の方の技術もさることながら、振る舞い、声のトーンがとても落ち着いており、非常に高級感のあるロウリュウであった。どっちが良くて、どっちが悪いというものではないが「只今より!ロウリュウを開始します!」という元気な挨拶が回転寿司であるとするならば、こちらはひっそりと路地裏に位置するカウンターの寿司屋といった風情であった。確かにこのコンセプト感の中において、キャッチーで威勢の良いロウリュウサービスは水と油である。リラックス感の演出が徹底されるよう、店舗全体での教育が行き渡っているのであろう。

今回は字数の関係で森のサウナ、水風呂、休憩スペースについての詳細は割愛するが、どれも非常に、非常に素晴らしいものであった。

かなりの有名店であり、実際に隠れることはできないが『大人の隠れ家』とはこのようなものなのかもしれない。名古屋は観光名所やグルメなども充実したオリジナリティの強い土地であるため、サウナ以外の時間も楽しく過ごすことができる。ウェルビー栄や名古屋の町歩きを目的として遠方から訪れる価値が充分にあると言えよう。

  • サウナ温度 85℃,96℃
  • 水風呂温度 25℃,15℃
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