松の湯
銭湯 - 東京都 府中市
銭湯 - 東京都 府中市
作家の活動のなかで缶詰という言葉が昔からある。
作品を世に出す為にホテルの一室などに閉じこもり逃げ場をなくし作品を書き上げることだ。
家にいると様々な欲求が手頃に入ってしまう故、自分はサウナに行くことが多いが、サウナに行ったら行ったで整うことに趣いてしまって結局手ぶらで帰る事も多い。
そんな時ネタ出しに自分はWifi状況のない銭湯を使うが、銭湯はサウナより砕けた空気感もあるが故にその地域の空気に呑まれてしまいがちだが、ここはそんな心配はいらない。
タイミングを間違わなければ、施設の経営の心配をしてしまうほどにほど貸切状態で整える銭湯サウナなのである。
オープンから突入し洗体し水滴を神経質なまでに拭き取り94度のサ室に入ると一人の世界が待つ。
今のコロナの状況もある為か人も疎らな為、壁の木に水をかけて体感温度を上げてひとりロウリュを楽しんだりもして。
そしてひとりのサ室で様々なニュースを目にし、自分の置かれた状況、界隈の状況、この施設の状況を目を瞑り思うと、汗と共に様々な感情が右往左往する。
いや、今は作品をと思い体感低めの水風呂につかり、脱衣場の椅子に寝転がるといつの間にか思いの外早く時が過ぎていて、窓から通りを眺めると思いの外早く降り出した雨を見て、そそくさと愛車に跨る自分がいた。
つまり思いの外整いまくったということであり、それは即ち今日も手ぶらで帰途に着いたというお話である。
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