インロー

2020.09.21

1回目の訪問

ハイデガーはその著書『存在と時間』の中で、不安を、存在のありようを問い直す契機としてとらえた。まさか銭湯でそのような不安と向き合い、ハイデガーを想起することになろうとは夢にも思わなかった。

今日は、富山は高岡にあるよつやのゆにやってきた。もちろんお目当てはフルチンスライダーだ。しかしここは急がず慌てず、いつもどおり身体を洗ってからまずはサウナへ。
サウナ室は中2階(?)にあり、階段を上った右手にある。外見に比して広い。室温は90度前後を指している。ストーブの横にはかつてオートロウリュ装置であっただろうものの残骸が置かれていた。体感的にはあまり熱くなかったが、程なくして細かい汗の粒が肌に浮かんだ。じっくり蒸されている感じで心地よい。
サウナ室を出てすぐ右手に水風呂。広い。そしておそらくは天然水だか地下水なのだろうか、柔らかい感じのする水風呂(北陸のサウナにありがちなのだが、天然水や地下水汲み上げであったとしても、いちいち説明書きがないのだ。もっとアピールしてもいいのに、と思う)。
さて、水風呂の左隣に件のスライダーがある。滑るのにタオルを持ち込むわけにはいかないので、一糸纏わぬ姿となる。「これで滑るのか…?」少し不安になるがエイヤッとばかりにスタート。通常ウォータースライダーなるものを滑るときは、水着を着用しているので、固定されている(何が固定されているのかと訊くのは野暮というものだ)のだが、今日は極めて不安定な状態だ。滑っている間、右に左に揺れ動く(何が右に左に揺れ動くのかと問うのは野暮というものだ)。これが想像以上の不安を惹起することをサウナー諸氏はご理解いただけるだろうか。嘘だと思うなら高岡に来てフルチンスライダーやってみればいい。
そうこうしている間にドボン着水。帰還。不安定から安定へ。そのときの感情は如何なるものであったか。生きることの喜びであった。あんなに不安定だったのに!今はこんなにも落ち着いている!生きてて良かった!着水したプールから上がり、タオルを置いてきた中2階へ戻ろうとする。しかしだ、普段銭湯では股間をタオルで隠す習性のある吾輩はまたしても不安に囚われる。別に誰もジロジロ見ていないのだし堂々と歩けば良さそうなものだが、習性というものはそう簡単には変えられない。なんとなく背中を丸めてひょこひょこ階段を上り、サウナ室前に掛けたタオルを取り戻し、ととのいイスに座る。
さて座ったは良いものの、さっき滑ったスライダーの間の滑稽な思考や自分が取ったであろう姿態のことが思い浮かばれて、もう可笑しくて仕様がない。クスクス笑ってしまってととのいどころではなくなってしまったが、まあ楽しかったから良いとしよう。

インローさんの温泉天国よつやのゆのサ活写真
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2020.09.21 23:28
0
立派なモノをお持ちのようで、羨ましい限りです!
2020.09.22 08:19
1
とんでもない!お粗末すぎてむしろ不安になります!
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