鷹の湯
銭湯 - 北海道 札幌市
銭湯 - 北海道 札幌市
トスはあがった。
スパイクを打ち込むなら今だ。
そんな思いで仕事終わりに鷹の湯へと馳せ参じた。私は令和から「すぐやるマン」、略して「やりマン」として生きていくと決めたのだ。
――――――
私は銭湯は日常を少し彩るものだと思っている。スーパー銭湯だと華やかすぎるし、サウナ施設だと、もうそれは祭りだ。
これ、これこういうのでいいんだよ。
そんな感想が銭湯にはちょうどいい。ささやかな喜びでいい。
――――――
先客が1人。ちょうどその方と入れ替わりになるところだったが、明らかに様子がおかしい。
色白の男性の肌は、胸のあたりから足先までがぴっちりとピンクに染まっている。浴場で何かが起こっているらしい。
「こいつは事件の匂いがするな」
ピンときた。
これは覚悟を決めてのぞまねば殺られる。
――――――
『待ってくれよッ!!!!』
主浴に足をちょこんと入れたら、思わず叫んでいた。
覚悟を決めていたにも関わらず、その上をいく激熱ぶりだ。下手したら、低温調理用の温度だ。でも、これが鷹の湯なのだ。俺はここで退くわけにはいかない。なんせ、上がったトスを打ち込まねばならぬのだ。
せいやぁッ!!
……
…………
ギギギギギギギギ
はだしのゲンのムスビのような声が出る。出ちゃう。声が出ちゃうの。出したくないのに、出ちゃってるの。
数十秒入っているのがやっとだった。しかし、そのあとの水風呂のうまいことうまいこと。
そうやって、アイドリングした後のサウナ。暗くて、高くて、あたたかいサウナ。出ちゃってる。今度は汗が出ちゃってる。
もうね、いろんなところからいろんなものがいっぱい出ちゃった。
――――――
脱衣所で自分の体を見てみる。色黒の肌がどどめ色に染まっている。たぶんあまみとは違う。ただただ赤と黒が混じっただけのおじさんの色だ。
肌がピンクに染まるというのはそれだけで勲章だ。実にうらやましい。
鷹の湯からの帰り道、真冬の札幌の風がほほをなでる。こんな残念お肌だというのに心地よい。今日も1日ごくろうさまでした。じんわりとねぎらいの言葉が込み上げてきた。
これこれ、こういうのでいいんだよ。
最高スパイク☺️☺️☺️
トントゥありがとうございます‼️ 鷹の湯は車で通る度に気になってました✨ 今度行ってみます‼️
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