里の森 森のゆ
温浴施設 - 北海道 北広島市
温浴施設 - 北海道 北広島市
自分が特別な人間ではないと知ったのはいつだっただろう。
気づいてはいる。だが、それを心から認めることがまだできない。
中年になった今でも、心のどこかで『何者かにならなくてはならない』という思いがある。それが、何者でもない私を苦しめる。
だったら、雪の降り積もった『森のゆ』に行けばいいか。
思いついたとき、私は自転車で雪道を走り出していた。
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日曜日。さすがに混んでいる。
そんな喧騒など、窓から見える景色がすべて消してくれる。
雪の白の中に立ち続ける葉のない木々はまるで死んでしまったかのようだ。だが、彼らは生きている。その小さな躍動に耳を傾けてしまえば、自然の中に溶け込む準備ができる。
隔たりのない露天。自分と自然との境目があいまいになる。聞こえてくる汽笛。青みがかる白い山々。縮み上がるおちんちん。
俺は特別ではない。
だが、俺は俺の特別を見つけることはできるみたいだ。
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いつものように、これをハンモックに乗りながら書いている。
もうさ、なんかさ、それだけで最高じゃない?伝わるといいな、このかんじ。
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