おふろニスタ

2019.11.02

3回目の訪問

迷うことはもうやめたはずだった。

そんな決意は幻だったのだと、いつも失ってから気づく。

森のゆの森から紅葉は去っていた。

裸の私が見つめる先には裸の木々だ。森のゆを利用してから初めて森と対等な立場になった。

今日はあたたかい。だが、北海道の空気にはもう冬の気配がまじっている。

紅葉の残り香の漂う森を前に暖かな日差しが降り注ぐ。それでも季節は待ってはくれない。秋はもう別の場所へ旅立ってしまった。

雪がそろそろくるだろう。

森の見えるサウナと深い水風呂と肌を艶やかにする温泉に入ったあと、雪の積もるはだかんぼうの森をはだかんぼうの私がデッキチェアに座りながら眺めるときがくる。

明るい未来の話だ。

今度は迷わずに来よう。思い立ったときがそのときなのだ。

雪降りしきるときに。

チャリで。

【ハンモックからこんにちは】

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