箕面湯元 水春
温浴施設 - 大阪府 箕面市
温浴施設 - 大阪府 箕面市
風がバイクを揺らす。
繊維問屋のビルが立ち並ぶ通りを走り抜ける。
着実に体温を奪われた私は、足早に館内に入り込んだ。
最近改装された食事処は、照明のせいか明るい雰囲気で、そこそこ賑わっている。しかし、食事に来たのではない。迷わず浴場への暖簾をくぐる。
頭と身体を洗い、40℃のミルキー風呂に浸かると、徐々に指先の感覚が戻ってくる。そしてサウナ室へ。
サウナ室は四段構え。上段90℃、下段70℃とコンディションにより暖まる場所を選ぶことができる。私は、向かって右手の遠赤外線ヒーターの熱を浴びる。10分ほどで背中に汗がとめどなく流れ、爪先も充分に温まってきた。そして迷わず水風呂へと向かう。
チラーが治ったという話を聞いた。今日は17℃のようだ。冷水風呂という名前がついている。身体の熱が溶け出していくのがわかった。
身体が冷めきらないように、水分を拭き取り椅子に腰をおろす。重力の存在を強く感じた。何者にも向かう気力もない。そこに在ったのは、ただ、椅子に座っているだけのちっぽけな幸せだった。
そんなちっぽけな幸せを三回繰り返した。
風呂上がりに、まだ一歳にもならない、やっと歩けるような子供とその父親とのやりとりを見て、また、ちっぽけな幸せを感じた。
男
ちっぽけなトントゥですが。 幸せには間違いないです👍
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