四次元⇆三次元

2023.12.31

2回目の訪問

【人はもたれあうから人なんだ】〜いぶし銀の風〜②

そして事件は起こった。

休憩の為、脱衣場とを往復してる時、中央の洗い場で変な格好で座りながら身体を洗ってたお年寄り。

2セット目を終わりには、椅子ではなく床でのたうっている。

別の方が「お父さん、ひょっとして立たれへんのか?」と言うと、そのお年寄りはジタバタしながら頷いた。

声をかけた人がお年寄りを立たせるとフラついて倒れそうに!
慌てて駆け寄り支えると、身体が冷え切っていた。
勝手に行こうとするお年寄りを引き止め、支えながら足元から湯船の湯を掛けて温めていく。

その間、もう1人の方に番台へ声を掛けてもらい、充分身体が温まった所で脱衣場に連れて行った。

借りたバスタオルをかけながら
「お父さん、困った時は誰でもええから声かけたらええねんで」と声をかけると

「年寄りやねん」
と、何とも言えない顔で言った。

着替えて手押し車を押して出て行くまで見送り、こっちも冷えた身体を温める為、熱めの炭酸泉に浸かる。

汗ばむまで浸かりながら、銭湯の意味を考える。
(家で1人だったらもっと危なかったな…)
銭湯なら誰か居るから、困った時でも誰か助けてくれる可能性が高い。

四次元も今は元気だけど、いつか行く道、あのお年寄りの様になるかも知れない。

「お互い様」
番台のおかみさんへ、自然と口に出た言葉は「年寄り」が悲しい言葉にならない事への想いなのかも知れない。

年の瀬にアツアツの汗額の夕暮れ。

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