感覚的 藻(v.o.c)

2018.10.05

3回目の訪問

最終話「ロマンスドボン〜夜明けのサウナ〜」

〜プロローグ〜
「4つの大浴場を制覇する野望抱き、サウナが開けられる時刻とともに本館大浴場へと繰り出した私であったが、その野望は突如打ち崩される!本館大浴場は男女入れ替え制ではなかったのである…!」


男湯と女湯の間で立ち尽くす私。
「越えられない暖簾にせめて腕押しでもしてみるか…」そんなよくわからない思考が脳裏に浮かぶほどショックを受けていた。
だが、私はフウと息を吐き、その足を別館大浴場へと向かわせた。
別館に着き、昨日の伊達の湯の方向に目をやる。昨日とは色の違う暖簾がかけられていた。私は心から安堵し、三春の湯の赤い暖簾をくぐった。
ここは伊達の湯と比べて造りが小さい。まあこんなもんだろう、と自らを納得させ奥へ進むと水風呂が静かにそこにあった。このこじんまりした大浴場に対して、水風呂の存在感がデカイ…実際、伊達の湯の水風呂より大きかった。なんだか嬉しくなった。

〜中略〜

温度計は96℃を示しているが、本当だろうか?昨日のサウナの98℃は平気であったのに、何故だろう?肌を刺すような熱さを感じる。
「このサウナ室の狭さが、熱の伝わり方を強くしている…?」「私の肌感覚が過敏になっている…?」
と考えを巡らせていると乳首と唇がヒリヒリとしてきた。皮膚の薄い粘膜部分がまず悲鳴を上げた。
サウナは我慢大会ではない。無理はいけない、と切り上げる。たった2分にも満たないサウナ時間、だが、水風呂が心地よく驚くことに1セットでととのいを得てしまった。

サウナは生き物、とはよく言ったものだ。
温度計や砂時計では測れない何かがあの空間に確実に存在している。水風呂も然り。
サウナや水風呂という生き物は我々をすっぽりと包み込み、その中で我々は自分と向き合っていく。
それは、我々の血が身体を巡る間、ずっと続くのである。

〜終〜

  • サウナ温度 96℃
  • 水風呂温度 19℃
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