多摩境天然温泉 森乃彩
温浴施設 - 東京都 町田市
温浴施設 - 東京都 町田市
ゆるっとサウナを堪能する気持ちはなかったのです。心は灼熱を追い求め、新たなる施設開拓に向けたポジティブこの上ない気持ちでおりましたが、いや待てと。
過激なサウナってどう考えてもここじゃね。
私の鍛え上げた汗腺を試すのはこの施設のサ室にある地獄の時間、しかも20分単位でやってくる高密度の修羅場。
じんわりと汗をかくサウナももちろん心地よいものですが、そんな悠長なことを垂れ流している余裕は私にはないのです。
ほわほわふわふわしてる日常との決別、オラオラしてなんぼの気持ちでいると自然とあの赤きライティングに染まりし血も涙もない、あるのは汗だけの時間を求めてしまうのです。
30歳を迎えて寿命を考え出す始末、今を燃やせといつも心の煉獄さんは告げてくるのです。うるさい。
まずは温泉でぬくぬく仕上げてついでにスチームサウナでリラックスしたのちに戦士の面持ちであのサ室に飛び込むのです。
晴天の初夏で私のサ活経験は外気浴の天衣無縫を感じたのです。舞台は整った、後は私の肌が逃げない事を誓うのみだと。
無理だったんですけどね。だって熱すぎるんだもん、そそくさと最上段から逃げるように下段に落ちたのです。ロウリュ時点でもかなり限界なのに、その後2分くらい赤い風が吹きまくるのは人の道を外れて修羅ってるっつーの。
その甲斐もあって水風呂はんまあ素敵に心に溶け込むのであります。水に浸って走馬灯のように今までの人生を回顧している時間はととのいへの羅針盤であります。
ゼェゼェと息を整えて露天エリアの椅子に横たわれば、空の青さと生い茂る緑で自然を駆け抜けていく思春期を心に宿したのです。
3年前に岐阜の各務原で闘争を繰り広げた方の名前を全く思い出せない悩みもあの黒い温泉に溶け込んだのです。顔も思い出せないので名前が出てくるわけがねぇ。なんで犬山城行った後にノリで離島行ったのかよく分からない。
露天エリアに乱立しまくる緑生い茂る木漏れ日から現実の光を探し求める私の未来はそこに手を伸ばしたのです。
いや、希望はそんな事で掴めない、サ室に戻ろう。
サ室の赤い光だけが今の私を満たしてくれる要素なのだから。
危ないポエマーは地獄を求めてまたしても絶対に自分が耐えられない最上段に座って次元の扉を開く赤い光を待っていたのです。
2回戦目なんてもうサ室の赤い光が現れた瞬間に下段に逃げやがったのです。僕弱い。
土日の昼間だから凄まじい数の人がいるものだと思ってましたが、案外いい感じの客入りで外気浴には困らなかったのです。
蒸務取締役ともなるとあのサ室を人生の墓場と思うのが知りませんが、つよつよの心構えで阿修羅みたいな耐え方をしていて、尊敬の念を隠せない私であります。
次こそ赤いサ室に勝つぞ。
男
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