東京豊洲 万葉倶楽部
温浴施設 - 東京都 江東区
温浴施設 - 東京都 江東区
夜の豊洲、ネオンが揺らぐ水面を横目に、ここは蒸気の国へと続く秘密の扉。豊洲万葉倶楽部のサウナは、都会の喧騒を忘れたい人々を優しく迎え入れてくれる。いや、むしろ忘れさせるというより、蒸気で全てをぼんやりと曖昧にしてしまう。
先制攻撃よろしく強烈なシャワーが頭を襲う。制御出来ない暴れ馬、都会のシャワーは気難しい。
サウナ室に一歩足を踏み入れる。その瞬間、包み込む熱気が「これで日々のストレスは蒸発する」と囁いてくる。ただし、心の片隅では「この蒸気、どうせまた新しいストレスを運んでくるのだろう」と少し捻くれた考えもちらつく。だが、ここではそれすらも許される。
熱気に耐えきれず外気浴へ飛び出せば、目の前には広がる夜景。湾岸のキラキラとしたビル群が、「お疲れ様」と言う代わりに静かに輝いている。
そして、水風呂。冷たさに体が驚くたび、「生きてる」と感じる瞬間。日々の仕事で感覚が鈍った心を、これでもかと刺激してくれる。だが、その後に訪れるあの整い感――重力を忘れ、ふわりと浮かぶような感覚に身を委ねれば、すべては帳消しだ。
豊洲万葉倶楽部のサウナは、ただのリフレッシュではなく、人生を少しだけ遠巻きに眺める場所だ。ネオンと蒸気の狭間で、肩の力を抜くには十分すぎるほど魅力的だ。
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