るロウリュウに献身

2025.02.27

9回目の訪問

今宵は肌に凍みる冬の寒さとは程遠く、春の微かな気配を感じるのような空であるが、私の心にはうっすらと霧がかっていた。春は出会いの季節であると共に別れの季節でもある。その後者が早歩きで私の元にやってきてしまった。そう今日はウェルビー今池で精を出し、我々を虜にした中永さんの最後の日なのだ。彼はこれまでその勤勉さと努力、包容力でウェルビー今池をここまでの施設に仕立てあげた、影の立役者である。
さて、最初のロウリュは本日の主役中永さん。あぁ、こんなにも早く出会うとは。そういった少しの驚きと大きな感動を胸にいざサウナ室へ。サウナ室が開き、換気の時間には少し賑やかなサウナ室が扉がバンっと閉ざされた瞬間、行き交う声は静寂へと変わり、我々には固唾を飲むことしか為す術が無くなった。これが嵐の前の静けさと言うやつだろう。固唾が少し粘り気を増し、54°Cくらいになった頃、中永さんが満を持して登場した。彼の表情はどこまでも凛々しく、希望に満ち溢れ、涼しさすら感じた。そして彼の口上が始まる。淡々と冷静で、それでいて心地の良い声調が私の耳に入り心まで通じる。食道の場所がこれほど分かったのはいつぶりだろうか。アロマはゼラニウムである。彼はなんどこのアロマを使い、何人の人を虜にしてきたのだろう。そんなことを考えているうちにサウナ室には蒸気が立ち込み、嵐の登場を予感させる。これほど待ち遠しい嵐はあっただろうか、あの国民的5人組をも凌駕する程の魅力がここにはあるのだ。さぁいよいよか、と彼がタオルを持ったその刹那、彼の表情が一変した。いつもの朗らかな表情の中に、天下統一を成し遂げようとした武士のような荘厳さをも感じられる。風を掴んでは私たちに送り届ける、ただその繰り返しなはずであるが彼の技術は我々にそうとは思わせないのだ。2週目のアウフグースがやってきた。またあの強烈な風が来ると我々は予期していたが、なんと彼は片手でタオルを持ち始めた。そのままタオルを1本で操り、風を切り裂く。そしてなんということだろう、彼はそのタオルをこちらへ投げつけてきたのである。私は死を予感した。しかしその投げつけたはずのタオルは彼の手中に収まっていた。なんということであろうか、投げ技である。私は彼の熱波を幾度となく見てきたが投げ技をしたことはこのラスト熱波で初めてのことだ。彼の精神力の賜物とウェルビーでの集大成がこのアウフグースには全て詰め込まれていた。本当に素晴らしい熱波であった。
その後にも大堀さん、細江さんの素晴らしいロウリュを受けた。ありがとう。
中永さん、長らくご苦労さまでした。中永さんはウェルビーを卒業されるが、面影はウェルビーに残り続ける。そういうものである。今まで本当にありがとう。

るロウリュウに献身さんのウェルビー今池のサ活写真
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