【閉店】上野ステーションホステル オリエンタル3
カプセルホテル - 東京都 台東区
カプセルホテル - 東京都 台東区
ととのいは、授かるものだ。
私は普段、ととのうときは少なからず、気のしれた友からととのいを授かることが多い。
ある時は休憩で昇天した顔から、またある時はサウナで至福の汗を流す姿から、外気を浴びながら、年齢に似合わぬ老人のようなストレッチをする姿から。
しかし今日、私はととのいを天から授かった。
珍しく、ひとりで向かったサウナの名は「上野オリエンタル」。
ひとりで行くサウナはそれこそCOVIDの前以来だったので、本当にととのうことが出来るのかと一抹の不安を抱えての入店だった。
その反面、ここ最近、友と行くただただ楽しい、悩みのない幸せなサウナで汗を流しながら、果たして自分と本当に向き合うことが出来ているだろうかと、私自身のサ道に疑念を抱いていたのも確かだ。
日曜の夜の上野オリエンタルは、客も少なく、マイペースに自分と向き合うことが出来た。
ここで天は私に、圧倒的至福を与えた。
「20時のロウリュをはじめます」
前面に"everyday Yakiniku"と書かれたTシャツを着たおやじさんが浴室に現れる。
僥倖、、圧倒的僥倖、、‼
そのとき浴室に居たのは奇跡的に私ひとり。
こうして焼肉熱波師のおやじさんと私のタイマンが始まった…!!
ここのサウナは熱い。程よい広さの2段の室内を蒸すには十分すぎるサウナストーンに惜しみげもなく、アロマ水が注がれる。
「江戸、ここは江戸の森だ。」浮世絵で江戸をモチーフにした浴室、そのサウナの中に深い森林の香りが満ちる。
イチ、ニ、サン、ヨン、、
おやじさんはひたすらに私に熱波を届ける。
「ああ、ああぁ」思わず声が漏れる。
友と過ごす幸せなサ活の中で、私は何を勘違いしていたのだろうか。現実社会は浮き世、サウナは憂き世を明るくする希望。ただそれだけじゃないか。
私がそう気がついた頃、熱波を届け終えたおやじさんは背を向けて去っていった。
きっとおやじさんとの出会いは天が与えてくれた奇跡だろう。
その背中には日本語で「毎日焼肉」と書いてあった。
サウナ:8分 × 3
アウフグース×1
水風呂:40秒 × 4
休憩:10分 × 4
合計:4セット
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