ニコーリフレ SAPPORO
カプセルホテル - 北海道 札幌市
カプセルホテル - 北海道 札幌市
言わずと知れたサウナ王国北海道の親分、ニコーリフレ。
細かい説明はいらないと思うので、ここのすごいところをレビュー。
まず、ここは独立国家なんですよね。それも無政府。スタッフの方々は客から委託され、運営を行なっている。
委任統治機関がないということは無秩序かというと、全くそんなことはない。
全員の振る舞いが、とてつもなく“大人”的だ。
ではそれはなぜかというと、「愛」があるから。アナーキストの大杉栄は、互助や共助と言った人間関係的なものの中に存在する社会の有能さがあれば、統治機関は要らないって言ってたんですよ。ただ、彼の発想には1つ欠かせないものがあった。それは全員が、全員の帰属する空間に対して「愛」を持っていること。
人類皆兄弟的な感覚っていうのは、他者に対する愛というより、大好きなこの世界を共有しているみんなへの愛っていう順序なんですね。
それで話しはニコーリフレ国に戻るんですけど、あそこの国民は、全員あの空間が大好きなんですね。愛なんですよ。
誰も施設を汚さないし、スペースを譲り合う。それは見ず知らずの目の前の裸のおっちゃんが好きだからではないんです。
ロウリュ前のサウナ室には、10分前くらいから人が並び始めるんですけど、とても整然としている。入室時に氷をもらうときもすばやく氷を持って、次の人にトングを渡す。これはね、犯罪なんか起きっこないんですよ。
いまはコロナ対策で、タオルを口に巻くことになってるんですけど、周りを見渡してみんな言われなくてもやるんですね。科学的根拠は置いといても、こんなギスギスした世の中にまだこんな空間があったのかと。
ロウリュサービス始まったらみんな揃ってイチ、ニ、サウナー!これ、為政者がやらせたら全体主義的じゃないですか。北朝鮮のマスゲームみたいな。でもここでは至極ソーシャルなんです。
まあこのへんでニコーリフレ国のすごすぎるところがわかったと思うので終わりにしたいんですが、ここまで書いてふと大きな間違いに気づいてしまいました。
というのも、よくよく考えると全員が崇める存在が、ニコーリフレ国にはあったんですよね。
あの巨大なサウナストーブです。
みんなあの存在のもとで秩序を保っていたんです。
なんだかSF小説とか浦沢直樹作品みたいですけど、あそこの人間、巨大な熱源に従って生きてるんですね。
そう考えると、とたんにちょっと怖くなります。大勢の男たちが、裸で両手を上げ「イチ、ニ、サウナー」って掛け声を合わせてるんですよ。
とんだ宗教国家ですよあそこは。
教祖様また行きます。ごちそうさまでした。
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