御湯神指しベストパワーランド
温浴施設 - 長崎県 諫早市
温浴施設 - 長崎県 諫早市
1回目。
麻の袋を被る。案内役の女性に先導され、背を大きく屈んで低い入り口をくぐる。少し入ったところで、懐中電灯で照らされた場所にうつ伏せになるように指示される。ほとんど倒れ込むように地面に腹ばいになる。地面はとても熱い。懐中電灯は消される。そして火の燃え盛る音が聞こえる。麻袋を通してめらめらと激しく立ち上る炎が見えた。
ここに来るまでの、車1台分の道幅で崖が連続する山道を登るときも緊張したが、今が緊張のピークだ。
これはまるで、収容所に押し込まれたばかりの捕虜のようだ。
麻袋の中で、自分の呼吸の音を聞き少し安心し、そして汗が大量に流れはじめる。
2回目。
今度は自分で寝る場所まで行くように指示される。手前はそれほど熱くない。奥に行くほど熱いのだと教えられる。少し奥まで歩いてみる。1回めは大量の汗が流れたものの、その後の15分間の休憩で、やや寒さを感じていた。そう、それくらいの位置でいいよと、遠くで案内役の声が聞こえた。1回めと同じようにうつ伏せになる。再び自分の呼吸の音を聞き、やがて大量の汗が流れてくる。
そしてしばらくすると、新たな客が入ってきた。
軽く呻きながら地面に横になり、少し苦しそうに息をしている。中年の女性のようだ。すぐ横にいるように聞こえるが、麻袋越しにはどこにいるのかよくわからない。
女性?そういえば案内役からは、男性は入り口から左側、女性は右側だと教えられた。
この周りに女性はいないはずだ。
あるいはドームの中で音は大きく歪むのかもしれない。
ぱちん、ぱちんと焚き火の音が響く。
3回目。
今度はさらに奥の方へ進んだ。前のセッションで、もっと熱くても大丈夫だと感じていた。
麻袋の隙間から場所をしっかりと確認し、奥の壁に近いところまで進む。すると、地面のところどころに、木の枕があることに気がついた。枕があることで、今回は仰向けになって寝てみる。仰向けになったことで窮屈な感じもせず、息もしやすい。明るいドームの天井も見える。
そしてあることに気づく。
音楽が流れている。
さきほどまでは全く気がつかなかった。
イージーリスニングが流れている。
かなり古いが、ポール・モーリアとかパーシー・フェイスのような聞き覚えのあるような音楽ではなく、「やすらぎをあなたに」というようなタイトルのカセットテープに入っている、環境音楽に近い類のメロディーだ。
僕は心からリラックスし、ここがどこかに気づく。ここはもちろん収容所ではないし、宗教施設でもない。
ここでは何も恐れる必要はないのだ。
テレビ後に拝読して当施設のリアリティをさらに学ぶことができました!イツカイキタイ。。
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