鷹の湯
銭湯 - 北海道 札幌市
銭湯 - 北海道 札幌市
年齢を重ねるにつれ、出会いよりも別れの数が増えてきた。それが摂理とわかってはいるが、辛すぎる現実だ。
輪をかけて辛いのは、多くの別れが突然に訪れることだ。「ありがとう」も「さようなら」もいわせてもらえず、静かに、気がついたら離れ離れになっている。
突然の別れを知った今日、鷹乃湯のサウナ室で流したのは汗だけでなかった。
あの日も今日も鷹乃湯の水風呂は私にとってベストだが、爽快感とは裏腹に心は曇ったままだった。
世の情勢を考えれば、予想できない別れではなかった。でも、予想できていたとしても何かやれることはあっただろうか。
無口なやつだった。大変な仕事だったと思うが、文句のひとつもいわなかった。表情を変えるのすら見たことがない。
雨の日も風の日も、大樹のようにドンと構えるその姿。神々しかったといいたいところだけど、いつもポカンと空いた口が少し間抜けで愛らしかった。
とにかく世話になった。ありがとう。
さようなら、鷹乃湯の灰皿。なくなるなんて思ってなかったよ。
ヒント:隣のセブンイレブン
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