おふろニスタ

2020.01.21

1回目の訪問

生まれて初めて私が男湯に入ったのは、ここ東豊湯だった。

いくつのときだったかはもう覚えていないが、「やっと解放された」という思いが強かった。その喜びは今日の訪問でも自然と湧き上がった。

女湯に入る少年を快く思わない女性も多いと思う。

その半面、その少年も、えてして快く思っていないことも多いと思う。

私がそうだった。

子どものころ、家には風呂がなかった。だから、銭湯には行かなくてはならなかった。入るのはいつも女湯だった。

自分とも、そして母とも違う姿かたち。見てはいけないとはわかりつつ、興味がないというのも嘘だ。思わず目がいってしまった後に、「ああ、してはいけないのに」と落ち込む。

そして、女湯にいる自分が「一人前ではない」という自覚。ひとりでは何もできないという事実がつきつけられているようなものだ。いくら振り払おうとしても、羞恥心はあとからあとから込み上げてくる。「今、クラスメイトに会ったら、俺は終わる」という恐怖もある。

だから、初めて男湯に入ったときの喜びはひとしおだった。この解放感を経験していなかったら、もう銭湯に行こうとは思わなかったかもしれない。

それほど、女湯に入れなければならないという状況は苦しかった。

大人になった今、東豊湯をよく見てみると、子どものころにはわからなかった仕事が見てとれる。

天井がさびているから気がつきにくいが、浴槽のふちから、カラン周りがピカピカに磨かれている。サウナの中には、なにかのアロマの香りが立ち上っている。水風呂は飲めるほどの水質を保ち続けている。

地域に密着した銭湯。

そこに漂う思い出や歴史に思いを馳せ、銭湯サウナを巡るのはいかがだろうか。サウナに求めるものはもちろん人それぞれだが、これもまたサウナの魅力の楽しみ方の1つだ。

1枚、許可をもらって写真を撮った。

地域の子どもたちの感謝の掲示物。

この写真のように、東豊湯は今も地域の中で機能している。

※ちなみに掲示物はロビーにありました。いくら人がいなくても脱衣所で写真を撮るのは「メッ」!

おふろニスタさんの東豊湯のサ活写真
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