サウナ即身仏卍

2022.12.11

9回目の訪問

庭師の師走ともなれば1日も休みがないが定説──新年にむけての繁忙期であるのだが──にもかかわらず私はバイクの整備のため滋賀県は竜王にきている。
整備士が長らく不在であったため、1年分の整備箇所が溜まり、ついには故障してしまったのだ。
私は仕事より相棒が大事である。これは誰が何を言えることではない。決して水口温泉つばきの湯の熱波が浴びたい下心で行動しているわけではないと、ここに筆で断じておきたい。
なんとこの12月11日、水口温泉ではガラポンの日であり、入場者に1回くじ引きのチャンスが与えられる。素晴らしい滑り出しだ。まるで水口温泉に行けと云う天啓ではないか。
抽選は入り口でやっていた。
結果は──私は庭師であり、危険高所作業に従事するものである。こんなところで運を使ってはいけないのだ。

身を清めるとすぐに20時、最後の熱波師によるロウリュが始まった。
すし詰めになったサウナ亡者共に挨拶する従業員熱波師。彼らの瞳に光が見えなかったのはサウナ室内が薄暗かったからだろう。
この時期私は水風呂に浸かることができない。心臓のこともあるのだが、年々身体の発熱量が減り続けている感覚がある。
外気浴に行くまでに外気浴が終わり、日曜日ということもあり、2段目に腰かける。
3段目のサウナーがサウナから出ると武装勢力タリバンが入ってきた。タオルを三角に口許を巻き、姿勢を低くし3段目に突進する様は突撃兵のそれである。
そうでなければサウナ室の上段や政権を奪取できないのだ。滋賀県は水口くんだりのサウナ室内から異国の情緒に想いを馳せる。
そこには自身と他人の進退に対する漠然とした葛藤が、確かに含まれていた。

0
30

このサ活が気に入ったらトントゥをおくってみよう

トントゥをおくる

トントゥとは?

ログインするといいねや
コメントすることができます

すでに会員の方はこちら

サウナグッズ

アプリでサウナ探しが
もっと便利に!

サウナマップ、営業中サウナの検索など、
アプリ限定の機能が盛りだくさん!