Lötö

2019.12.30

1回目の訪問

2年半前の貴重なサ活を投稿。

サウナは男女混浴で、20人ほどが入れそうなぐらいのほぼ立方体。熱源である熱せられた石が壁際の箱にドーンと入れられている。慣れた人が、何やら蓋を開けてそこに水を注ぐ。すると「ジュワー」っという音と同時に水が蒸発し、高温の蒸気となって天井から僕の身体に降り注ぐ。ゆっくり水を注ぐと、熱い蒸気が長時間降り注いでより温浴効果が高まる。サウナ室の中はほぼ真っ暗で、とても心が落ち着いた。

熱さの我慢が限界に達し、身体の血管を収縮するために身体を冷やす。普通のサウナだと水風呂に入ったり水シャワーを浴びるのだが、ここは違う。バルト海に直接身体を沈めるのだ。テラスに出る。バルト海は強風で白波が立つ上に陽が完全に暮れて、バルト海へと続く階段以外は真っ暗だ。

階段を降りると、そこにはバルト海の中へと誘う鉄製の梯子が設置されていた。白波が容赦なく梯子を洗う。「これ、下手したら本当に死ぬな…」と若干の恐怖を感じながら梯子を降りる。12月、極寒のバルト海へ入水。先ほどまでサウナで熱々だった身体は、10秒もしないうちに凍え出す。梯子から手を離して海に落ちないよう、細心の注意を払いながら梯子を上る。そしてまたサウナへ。あれだけ凍えた身体であったが、サウナに戻るとまた滝のような汗が吹き出る。2回目のバルト海入水時は、高めの波を頭からかぶった。3回目。これで締めようと決意し、長めに身体を温める。自分でも石に水をかけてみた。全身を包む熱気。そして最後のバルト海入水。両腕も沈め、暗闇の中、完全にバルト海と一体化した。凍える身体を頑張って動かして梯子を上る。そして水シャワーを浴びた。

水シャワー後は、木製のデッキで横になる。心臓のドキドキ感がおさまってくると、フワッとした心境になった。いわゆる「調う」というやつか。一時的ではあるものの、自分の生命を危険に晒したことで、なんらかの脳内物質が出たような気がした。ふわーっとした浮遊感。

隣の部屋に移動すると、部屋の真ん中にガラス製の暖炉があり、薪が焚べられていた。僕は丸太の椅子に座りながら、グラスに水を注ぎ喉を潤し、薪を包み込むようにゆらゆら揺れる炎をじっと眺めた。途中新しい薪が投入され、そこにも火が広がってゆく様子もぼーっと見ていた。何も考えず、ただそこにゆらめく炎だけを見つめる。何という贅沢な時間。

この旅のハイライトであるバルト海を利用した温冷交替浴を体験できたことは、一生の思い出になると思う。体験の機会をくれた家族に感謝である。

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