アクアリゾート 岐阜ふじの湯
温浴施設 - 岐阜県 岐阜市
温浴施設 - 岐阜県 岐阜市
ついに奴との決着を付ける時が来た。ふじの湯 水風呂に巣食う山吹色の悪魔、通称 サイレントプッシャー(沈黙の押しボタン)。これまで数多のサウナーを退けてきた強敵である。私自身何度苦渋を舐めさせられたことか。
だが、今日の私はいつもとは違う。昨夜、神の啓示を受けたからだ。
まぐろ大明神
「水風呂ボタンは全力グーパンチ👊」
貴方が神か。
洗体を済ませ、はやる気持ちを抑えつつサウナへ。じっと眼を閉じその時を待つ。
高まる心拍数は対決への期待からか、100度超えの熱気からか。約7分間、濡れ頭巾スタイルでじっくりと蒸される。
そう、私はめじまぐろ。乾燥が苦手なのだ。
「…行くか。今日こそ一泡吹かせてやる 。」
一晩寝かせた冊のように、真っ赤に仕上がった身体を起こす。汗を拭き取りサウナを出ると、桶一杯のかけ水を3回。頭から尾びれまでゆっくりとかけ流し、身を引き締め、そっと水風呂へ。
水温は体感で15度弱か。相変わらずまろやかで良い水質だ。だが、足りない。もっと上の世界があるはずだ。
対決の時である。
まぐろの幼魚といえど、誇り高きまぐろ属の端くれ。水風呂ではまさに水を得た魚のよう。沸き上がる力を今こそ開放する。
「いくぞ!ブックブクにしてやる!」
めじまぐろの背びれが大きく揺らぎ、全体重を乗せた腹ビレが奴を打つ。
「パシッ」
…
まさか!?反応がないだと!?まだ…及ばないというのか。私が…半人前のめじだから…?
泡を食ったのは私の方だった。自然と荒くなるエラ呼吸。だが、落ち着け。神の啓示にはまだ続きがあるのだ!
後半へ続く
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