【閉店】大黒湯
銭湯 - 東京都 足立区
銭湯 - 東京都 足立区
【グレート・ブラック・ユーから愛を込めて】 〜建築的番外編〜 ②
※建築的見地から書いてるので、分からない事だらけですから読み飛ばしてください。
見るべきは「屋根」
その「反り屋根の美しさは、応力度における力学的美しさ」に魅入られる。
そしてその屋根は急勾配から緩勾配へと変わる為、水の流れてくる速度を落として、隣の建物へ水を浴びせる現象を止める。
若い頃、急勾配屋根の家を設計して、少々の雨でも隣の家の壁に雨がオーバーランする事があり、反り屋根のようにスピードを落とすのは、理にかなっている事を身をもって知っています。
そんな先人達の叡智を積んだ木造建築。
銭湯の屋根の先にも宿っています。
垂木が二重になる地垂木、飛燕垂木、間斗束の飾りが、銭湯建築の中に生きています。
裏に回れば突然に質素となる。
表は粋だけれど裏はひなびた風体となる所も面白い。
そんな銭湯建築は豪奢な表造りの建物と浴室棟とが合体した造りが多い。
理由は大空間を取る屋根の構造が、役割が違うので別棟をくっ付けたようにする方が作りやすいし合理的だからだ。
ただ、それを繋ぐのは2棟共通の十寸の大柱。
尺五寸の梁を管柱が間を割って支える。
棟方向を大きく飛ばしつつ越屋根をこさえて換気と採光得るのもこの手の銭湯建築の特徴だ。
男女にわたる壁のペンキ絵、そこに直交する隔壁に張られたタイル絵は富士山の絵と街道をつなぐ物語を表す壮大な絵となっている。
裏から見た煙突も年季を感じさせ、解体するの大変だろうなと見ながら、最後の記憶に留める。
〜サ室へつづく〜
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