えごた湯
銭湯 - 東京都 中野区
銭湯 - 東京都 中野区
中央線近辺の銭湯サウナで素晴らしいところは全て行ったと思っていた。が、我々にはまだエルドラドがあった。えごた湯だ。
電車とバスを乗り継ぎ行ってみる。アパートビルから高い煙突がそびえる。アパートビルは昭和な感じだが、しかし1階部分は下から感じの良い照明があてられている。期待が高まる。
入り口からとてもお洒落だが、小洒落たリノベ系と括ることができない気がする。赤茶色のアメリカ西部・メキシコ北部のアドービ煉瓦のような壁の色の内装で、センスがとても良いのだ。こじんまりとしていながらも、ロッカーや番台の雰囲気も良い。
肝心のお風呂とサウナも素晴らしい。真湯はやや熱めでバスクリンの黄緑色の照明、炭酸泉は絶妙なぬる湯で白色の照明、そして水風呂は美しいブルーの照明。えごた湯は緑、青、白の交響曲。テキサスのマーク・ロスコ・チャペルにでも来たかのようだ。風呂を真湯と炭酸のみに絞ったことで面積が広いのも素晴らしい。
サウナ。二段式で6−7名は入れるか。気持ちがいいのはなぜだ。熱い。温度計では110度。しかし湿度がある。よく見ると東北のストーブなどで見られるように、サウナストーブの上にたらいがあって、おそらくそこでお湯が熱せられている。なので高温かつ高湿のサウナが実現されている。
だからなのか熱に弱いサウナーの私は5分が限界。そして2セット目を終えブルーの水風呂に浸かったあとにかなりの恍惚感が訪れてしまう。これは私の中では「天山・りっかりっか湯モーメント」と呼ばれている。だがふと考えた。なにごとも過剰と欠乏を避けて、快楽に支配されすぎないようにせねばならない。なのでサウナでも過剰なととのい感は禁物ではないか。エクスタシーの手前でささやかな快楽の波が精神を洗い落とすのを見届けるがよい。自分にそんなことを言ってみる。なんてまた思考が脱線したが、浴場全体が素晴らしい。サウナ室横にはストーンベンチが壁面にあり、ここで私はととのいをめぐる思考を整えた。
そんなことを言っている間に若者グループ x 2のおしゃべりがかなりうるさくなる。サウナ銭湯では我々は海の孤島なのだよ、なんて言っても駄目だろう。鬼越トマホークの良ちゃんが20歳年をとったような強面のおじさんもチラッと若者をにらみながら、何も言ってくれない。吉本の未知やすえ師匠のように彼らを罵倒したあとで、脱衣場で「怖かった〜」とか言ってくれたら良いのだが。。。
もう一点。番台で買えるドリンクが安い!ハートランドが瓶で230円。人情まで感じられて、ありがたさが言葉にならない。素晴らし過ぎました。
男
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