鮨吉

2022.05.18

4回目の訪問

水曜サ活

『僕とサウナときみと』著・村上春樹

僕がある月夜に草加に行くと、きみはいつものようにブロワーを構えている。
『このままだと誰も居なくなってしまいますからね』
これはきみが散々熱くしたサウナ室だろう。僕はほほえむ。

きみは熱くしたり換気したり、それは天使と悪魔のようでいて、おそらくきっときみは天使なのだろう。
きみはこの部屋の温度を上げてもいいし、下げてもいい。ただぼくらはきみのロウリュに身体を預けるだけなのだから。

『じとり』流れる汗でぼくは気付いた。この部屋はただのサウナではない。あるいは監獄でもない。
きみの言う通り自由に出入りしていい空間だ。
ただし、これだけは確かだ。万人において完璧なロウリュなど存在しない。完璧な絶望がこの世に存在しないように。

『やれやれ。』
ぼくは整った。

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