「スッカマ」。その語感と字面に心奪われ、いつかは行きたいと願っていました。
今回の旅の友、熟練の釜山通から「どこ行きたい?何したい?」と聞かれて秒で答える「スッカマ!」。そしたら見つけ出してくれました。日本語の情報皆無、山中のパラダイス。なお住所表記が正しくできていないようでGoogleマップ読み取り機能が連動していませんが、目的地名に보배산참숯가마찜질방と入力すると正しい位置が表示されます。いつかここを訪れた方が正しい住所を入力してくださることを願うばかりです。
スッカマ=炭窯とは、窯で薪を焼き炭をつくる過程の中で発生する熱により体を温める韓国式サウナで、長い歴史があるらしい。要は炭焼き小屋なんで煙やらにおいやら安全性やらの観点から山中など人里離れた場所に置かれるのが通例だそうで、こちらも最寄駅からタクシーで30分弱。まぁお客さまはほぼ100%地元の方です。広々とした駐車場にぎっしり車が停まっていて、ファンの多さが窺われます。
まずはフロントでお代払い、小タオル2枚と館内着とロッカーキー受け取る。ダッシュで館内着に着替えて階上へ。持参の靴下を履き備えのスリッパを履きスッカマに出陣。まず目を引くのが大きな炭焼きコーナー。直径1メートルをゆうに超えると思われる巨大な焚き火、その周りにぎっしりと円陣を組むベテランたち。館内着をスルーして思い思い鮮やかな色のメッシュタンクトップやレース編みベスト着用のベテランが多い。花モチーフの黒レースベスト着たおじいちゃんとか。スケスケで女性は乳バンドを装着しているような。
炭焼きの熱が送り込まれるチムジルバンは3つ。高温中温低温に分かれていて、体温はスマホ操作OKの岩盤浴クラス、高温は100度を余裕で超えているだろうアッツアツぶり。備えスリッパ履かないと足裏が燃えるレベルなんだが、肝心のスリッパは大半がプラ素材でそれ履いてると「溶ける!ダメれ」と怒られる。数少ない木底のサンダルにありつける好機を待つか、マイ木底サンダル持参が吉。あとは炭ストーブルームみたいなお部屋もあり、そこは超高温。みんな違ってみんないい!いやマジでどの熱もぐんぐん、じんわり、バチバチと異なるテンションで体を温めてくれる。いい汗!
からの最高の外気浴。水風呂はないので直外気浴なのだが困りはしない。新緑に包まれ木の寝そべり台が10台ほど並んでいるだろうか。持参弁当食べる人、寝そべる人、おしゃべりする人。思い思いに春風にそよがれて、葉影のゆらめきを楽しむ。人ぎゅうぎゅう、炭窯の灼熱地獄から解放感に包まれた極楽浄土へ。ここは涅槃なの?永遠にいられるよねと笑い合う。灼熱地獄と極楽浄土を何度行き来したことか。幸せ…
