引退した路線バスを改造した移動型サウナ「サバス2号車」できました

引退した路線バスを改造した移動型サウナ「サバス2号車」できました

サバスは株式会社リバースさんとサウナイキタイによる、引退した路線バスをサウナとして蘇らせる共同プロジェクトです。1号車と同様、サウナイキタイはサウナ作りに全面的に関わりながらリバースさんと一緒にサバス2号車を作っています。これまでの経緯や2号車ならではのこだわりをご紹介します!

試行錯誤しながらこだわりを詰め込んだサバス1号車

日本初の路線バス型サウナ「サバス」。
サウナイキタイが、株式会社リバースの松原さんから1通のメールをいただいたことから始まった、引退した路線バスをサウナに変身させるプロジェクトです。

1号車は、バスをサウナに改造するという経験も前例もないアイデアに共感していただいた、設計会社のOSTRさん、車両整備を担当した神姫商工の整備士さんなど、製作チームのみなさんと試行錯誤しながら、サウナ体験とバス体験が重ね合わさるようなサウナを目指して作りました。

ドキュメント!サバスをつくった人々
https://sauna-ikitai.com/magazine/articles/sabus

1号車は兵庫県にある神姫バスさんの車両を路線バスとして活躍していた外観を活かしながら改造しました。行き先表示の電光掲示板にサウナと表示されたり、案内文が「ロウリュできます」となっていたり、元々のバス車両に馴染みがある方も、初めて神姫バスを見る方も、どちらにとっても見て楽しいバスになりました。

1号車はバス後方部分が路線バスのレイアウトをそのまま活かしたサウナ室になっていて、降車ボタンを押すとロウリュができる「蒸気おりますボタン」、整理券ボックスを再利用したロウリュウタンク、つり革を再利用した温度計など、元々バスで使われていた部品を使いながら路線バスがまるごとサウナになっているのが特徴です。
1号車のこだわりポイントは以下の記事でも紹介しているので是非読んでみてください。

路線バスを改造した移動型サウナ「サバス」できました
https://sauna-ikitai.com/news/2828

サバスで全国にサウナを届けたい!

万平蒸祭inマウント富士vol.3(山梨県)

2022年2月にサバス1号車が完成後、サウナ施設さんへの貸出やイベント出張など、全国各地いろんな景色の中にサウナをお届けしてきました。サウナ施設さんとのコラボイベントでは駐車場にサバスを設置して、蒔サウナ特有のやわらかい熱を感じられるサウナ室と、まるでバスの中でサウナに入ってもらえる体験を楽しんでもらいました。温浴施設の敷地内で行うイベントはサバスの後に施設の浴室にすぐ入ることができるので、施設サウナとアウトドアサウナのいいところを1日で楽しめるのが最高の体験でした。

森、道、市場2023 ENJOY SAUNA by SaunaCamp.(愛知県)

サバスは全国のサウナイベントや音楽フェスでもサウナをお届けしてきました。大きな車窓から景色を眺めることができるのも特徴の一つなので、景色がとてもいい場所でサウナに入ることができたり、音楽ステージの近くに設置してライブを聞きながら贅沢にサウナを楽しむといったこともサバスならではの体験でした。サバス1号車では蒸気降りますボタンが一番前方の席にあり、後方から「蒸気降りますボタンを押してもらっていいですか?」の一言からサウナ談義がはじまるのもサバスの風景のひとつです。

九州サウナオールスター感謝祭(佐賀県)

fishbowl「熱波」Official Music Video

ほかにもサバスの中で尺八を演奏するイベントや、ミュージックビデオでの活用など、サバスを作った時には想像もしていなかった、いろんなコンテンツと組み合わせたユニークな使い方もたくさんしていただきました。

普段サウナ検索で近くのサウナを見つけるお手伝いをしているサウナイキタイにとって、逆に全国の皆さんの近くに移動するサバスで、皆さんにサウナを届けるお手伝いをできることは、とても楽しく嬉しい経験です。

せっかくの走れるサバス、できる限り全国の皆さんにサウナを届けたい!

そんな気持ちで、呼んでいただいたイベントやサウナ施設には全国津々浦々、西から東へ、できる限り走って駆けつけたいのですが、1号車は関西を拠点にしているので、移動距離が多くなると費用が多くかかってしまうこともあり、現実的には関東エリアではサウナをお届けすることはなかなか難しいという問題がありました。

サバス2号車始動!

改装前のバス車両

関東でもサバスを体験してもらえる機会をもっと作れないかなと思っていたところ、サバスプロジェクトに共感してくださった東急バスさんより路線バスを譲っていただけるという話があり、関東を拠点にしたサバス2号車プロジェクトがスタートしました。

サバス2号車の車両は、東急バスの路線バスとして関東の多くの皆さんにも馴染みがあるバス車両であることはもちろん、「ワンロマ車」といって路線バスとしての運行のほか高速バスとしても使用できるように作られている、バスファンにも人気の貴重な車両です。

改装前のバス車内

2号車を作る際、1号車と同じ仕様のサウナを作って関東でもサバス1号車と同じ体験を提供するという案も出たのですが、元の車両がワンロマ車というちょっと特殊な車両だったこともあり、元の車両を活かした別の切り口のサウナを作っていくことに決めました。

1号車に引き続き、サウナイキタイのかぼちゃ(@kabochao)が企画の監修からデザイン制作まで全体的に関わらせていただいたので、バスならではのサウナ作りの第2弾として個人的に意識したポイントを紹介させていただきます!

サバス2号車はサウナ室がふたつ

2号車は車両の後部座席を回転させてコの字形に変えたスタイルの「サロン席」をモチーフにしたサロンサウナと、バスの優先席から着想を得た「優先席サウナ」のふたつのサウナスペースを作りました。バスという限られたスペースの中でふたつのサウナを実現するために、ストーブはひとつでスペースをふたつ作る、1ストーブ2サウナスタイルとなっています。この考え方はなにわ健康ランド湯〜トピアさんの男性用メインサウナで同じサウナ室の中で大きくレイアウトを変更して、まるでひとつの家(リビング、ベッド、個室)のように複数のスペースを作るサウナを体験したことから着想を得ています。

サロンサウナ

1号車では路線バスと同様の座席レイアウトなので前を向いて座ることになります。これは初対面の人と水着で同じ空間で一緒になった時にあまり気を使わなくても良いという面もあるのですが、サバスはイベントで運用することが多いので、サウナ室のなかで初めまして同士がサウナ談義をすることも少なくはありませんでした。2号車のサロンサウナでは中央にテーブルがあるコの字レイアウトにして、ひとつのテーブルを囲ってその場にいる人達でわいわいコミュニケーションがとれるような設計にしました。

中央のテーブルではサウナ室に使用した木材の端材で作った積み木ゲーム等のボードゲームで遊びながらサウナを楽しむことができます。もちろんコミュニケーションが必須というわけではなく、サバスの特徴である大きな車窓から外の景色を眺めながら静かに汗を流すのも最高です。

降車ボタンを押すとロウリュができる通称「蒸気おりますボタン」もパワーアップして2個設置しているので、ボタンを押してロウリュを楽しんでみてくださいね。蒸気おりますボタンを押した際に水が出る部分はバスのウォッシャーノズルを使ってたりもするので、気になる方は水がでる部分に注目してみてください!元々エアコンに使われてた吹き出し口を排気口に使っていたり、つり革の温度計など1号車同様、バスの廃材パーツも活用しています。

優先席サウナ

優先席サウナは個室サウナのようにじっくりとサウナに向き合えるようなサウナ室になっています。1号車ではバス前方部分の前室は荷物置きとして使われることが多かったので、思い切って前室スペースを削ってさらにサウナスペースをとったのも2号車ならではのチャレンジでした。ベンチは可変式になっていて、通常時はサウナ初心者でもゆっくりサウナに入ることができる低めのベンチですが、拡張パーツを組み合わせることで寝転びながらウィスキングができる設計になっています。

ウィスキング by しらかばスポーツ

ウィスキングしている様子はサロンサウナからも見ることができ、ヴィヒタの香りはおすそ分けすることができると思うので、新しいサバスの使い方のひとつとしてどのような体験になるか今からとても楽しみにしています。

1号車の経験を活かした改良

1号車ではサウナストーンは多ければ多いほうがいいという考えのもと、240kg載るストーブを選んだのですが、イベント開始時間までの短い時間でサウナ室を温める必要があるサバスでは石が多すぎてサウナ室を温めるのに時間がかかりすぎるのが課題でした。2号車では石の量は少なめでパワーのあるフィンランドのストーブメーカーmondex製のものを採用しています。

ロウリュをした際に左右のサウナ室に蒸気を送るためにストーブの上に設定している防熱板ををカーブさせてみたり、1号車では蒸気の抜けがやや早いなという気がしていたので、蒸気の流れがゆっくりと心地よくなることを狙って天井をかまぼこ状にしてみたので、1号車とロウリュの違いも楽しんでもらえたらなと思います。サウナは運用しながら育てていくものだと思うので、さらに良いサウナセッティングを追求していきたいです!

見た目は東急バス!でもサバス

外観は東京や神奈川に住んでいる方にはお馴染みの東急バスのカラーを復元しつつ、よく見るとサバスの要素がふんだんに散りばめた車体になっています。バスの顔となる正面には水風呂ブルーのライン追加してサバスのヘッドマークが付き、電光掲示板にはサバスお馴染みの「サウナ」が光ります。

側面もサバスロゴがいろんなところに出現したり、LEDもサウナ仕様になっているので、既存の東急バスとの違いを探してみてください。サバスが一般道路や高速道路のサービスエリアで見かけたらパシャリと1枚写真を収めていただけると嬉しいです。

サウナイキタイはサウナがある場所を調べられるアプリですが、サバスはサウナがない場所にもサウナを届ける事ができるサービスです。サバスを通してサウナに新しく触れる方が増えたり、サウナがもっと楽しまれる未来に向かっていけたら嬉しいです。今までの1号車とあわせて、今後は2号車へのご蒸車もお待ちしております!

関東の皆さん、ぜひサバス2号車に入りに来てください!

サバス2号車は関東エリアを中心として、東急さんの施設で定期的に体験できる機会を設けたり、さまざまなイベントに出展したりと、関東を中心に走り回ってサウナをお届けしていく予定です!

2号車も運行予定は1号車と同じく、サバス公式アカウント、公式サイトで発信していくのでチェックしていただけると嬉しいです。
関東の皆さん(もちろん来ていただけるなら他の地域の方も!)、ぜひサバス2号車を体験しにきてくださいね!

サバス X
https://x.com/sauna_bus

サバス Instagram
https://www.instagram.com/sauna_bus/

サバス公式サイト
https://sabus.jp

サバス2号車 体験会

日程:2024年8月3日(土)〜18日(日)
時間:10時00分~17時00分
場所:たんばらラベンダーパーク(リゾートセンター前) 群馬県沼田市玉原高原
内容:サバス2号車蒸車体験会(各回1時間30分、事前予約制)
参加料:1名あたり3,000円
申込: https://tambara.urkt.in/ja/direct/offices/2670/courses

事業者さん向けレンタルも募集中!

サバスは株式会社リバースが運営するサービスです。サバスではバスが設置できるスペースをお持ちのキャンプ場や温浴施設、イベントで利用したい事業者さんにレンタル貸出を行っています。サバスのレンタルにご興味のある事業者さんはサバス公式サイトよりお問い合わせください。

サバス公式サイト
https://sabus.jp

サバス2号車 製作プロジェクトチーム
企画・プロデュース:株式会社リバース / サウナイキタイ
設計:株式会社OSTR
内装施工:HENDERSON株式会社
バス車両提供改修協力:東急バス株式会社
バス整備・改修:株式会社恒陽
ストーブ手配: SaunaCamp.

サバス2号車写真
撮影:添田康平
モデル:清水みさと 
ウィスキング:もちょこ(しらかばスポーツ
SpecialThanks:コスパ・ザ・サウナー