舟橋・立山天然温泉 湯めごこち
温浴施設 - 富山県 中新川郡舟橋村
温浴施設 - 富山県 中新川郡舟橋村
ベルガモットオレンジの潤沢な香りが、まるでビロードカワウソの群れのように颯爽とサウナ室に拡がった。
熱波師は、ある種の慰めのように団扇を振るい、掘った巣穴に帰るように去っていった。
「冷たい。」
露天にある水風呂の中で、群れからはぐれた乳牛のような肢体の男は言った。
水風呂の目的は自己表現にあるのではなく、自己変革にある。エゴの拡大にではなく、縮小にある。分析にではなく、包括にある。
pH測定器を手にし、水滑車のように想いが汲み上げられていくのがわかった。そう、必ずしも自らが中性である必要はないのだ。
露天の空は既に濃紺のアクリル絵具で塗りつぶされていたが、カワウソの爪痕のようなピンホールからフォトンがこぼれ落ちるのが見えた。
【サウナ】
温度=80℃
湿度=じゅわり
(ロウリュウあり)
【水風呂】
温度=18.2℃
TDS=120ppm
pH=7.6
【外気浴】
天気=晴れ
風力=そよそよ
男
コメントすることができます
すでに会員の方はこちら