ここがサウナの最終目的地だ。アートサウナからまたさらに1時間。雪に埋もれた、その名も『ニエミカペー』という名の集落が現れる。この集落名は実はこの地を500年間守り続けてきた一族の苗字でもある。
そして、ここはそのニエミカペーさんが全て手作りで作った『スモークサウナ』があるのだ。
スモークサウナとは、元祖サウナとでもいうべき伝統的なもの。5〜6時間かけて石を温め続け、その後は余熱でサウナ浴を楽しむというもの。
ここのスモークサウナは、ニエミカペーさんがフィンランドで100年以上燃えずに残った施設を渡り歩き、研究を重ね、いいとこ取りをして、5年かけて作りあげたサウナ。
窓もないため中は真っ暗。大量に積み上げられた石にロウリュすると、、、あ〜なんとも優しい蒸気がどこからともなく現れて全身を包む。都会のスモークサウナで味わった重みのある深い蒸気ではなく、懐の深い深い優しい優しい蒸気なのだ。ふーー気持ちいい。これが真のスモークサウナのロウリュなのかもしれない。
『サウナコンケリ』
サウナコンケリとはタンペレを中心に活躍している男性2人組のユニットのこと。彼らのパフォーマンスは独特だ。フィンランドの各地に残る「サウナシャーマン」と呼ばれる、サウナを神聖なものとして扱い人の邪気などを払う儀式をする人々、そのシャーマンから学んだ伝承を研究し、自分たち独自のサウナ儀式を作り出した。それをニエミカペーのスモークサウナで体験したのだ。
かつてないサウナ体験だった。彼らの呪文やお経のような歌に混じって、ヴィヒタによる蒸気浴が行われる。それを目を瞑って味わうのだ。
全部で第4ステージまであるのだが、最後の盛り上がりの時に、ふと外で雨が降る音がし始めた。フィンランドでもこんな風ににわか雨が降るんだなーと思っていた。が、儀式が終わり湖に行こうと外に出たら雨なんか降ってない。確かに屋根を雨粒が当たる音がしていたのに・・・
コンケリの2人に聞いてみると、サウナの神様が何か伝えようとしたんじゃない?とのこと。
不思議な不思議なサウナ体験だった。
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