テントサウナが私にくれたもの
サウナイキタイ アドベントカレンダー 11日目の記事です。
こんにちは。東京出身名古屋在住のちゃんくにと申します。仕事の関係で名古屋に移り住んで二年がたちました。名古屋にそこまで友達が住んでいない状況でした。そもそも最初に住んだのが名古屋市では無く東海市という名古屋市の下の工業地帯。若い人や遊び場が皆無の場所です。元々ひとり遊びが得意なのでそこまで不便には思わなかったのですが、さすがに半年くらいたつと孤独感を感じるようになりました。
話は脱線してしまいますが私のサウナ歴を少し。私の父親は日本有数の温泉街、石川県和倉温泉の出身。産まれた時から生粋の風呂好きだったようです。風呂好きはサウナ好きに進化していき、その影響もあってか私は産まれた時から家に家庭用サウナがある環境でした。1人用のテレフォンボックスみたいな形でなぜかリビングの片隅に設置されてました。
テレビ、テーブル、ソファー、固定電話、サウナ。うーん今考えても意味が分からない配置です。ある日僕の友達が遊びに来てテレビゲームをソファーに座りながらやっていました。そこにソファーの横に置いてあるなにやら怪しげな長方形の箱から、いきなり汗だく全裸の親父が出てくるのです。えええええ??どういうこと???小学生には完全にホラーの世界でした。
というようにフィンランド人さながらの生活の一部にサウナがある生活を送っており、実家を離れた今でもサウナに通う日々を過ごしています。さて話は戻りますが、そんなサウナ好きな青年がある日インターネットの海をパトロールしているとなにやら面白そうな集団を発見します。
Tent Sauna Party
むむむ、なんだこれ?!テント?えっテントの中にサウナストーブがあるの?すげーおもしろそう!っていうかなんてオシャレな人たちがやってるんだ!調べていくとどうやら僕の友達の友達が運営しているという情報が。知らない土地で孤独感に浸食されていた僕はすぐに開催予定をチェックしメッセージを送りました。すると、気軽に来てください!と背中を押してもらえるような返信がすぐ届きました。
その日は滋賀県のある村役場で行われるジビエのイベントのようで、そこにテントサウナパーティが招待されていたので名古屋から在来線を乗り継いで向かう。駅を降り、辺りは雪一面の白銀世界。えっここで本当に合ってるの?と頭の中には?マークしか浮かばない。
歩くこと3分。なにやら賑やかな声が聞こえてきた。見るからに村役場。えっここで本当に合ってるの?と二回目の?マークが。
見つけた。
そうか普通に見た目はテントだから、どこでも出来るし移動も可能なんだな。
「すいません、初めてなのですが入れますか?」
「おおお!どうぞどうぞ!じゃんじゃん入ってください」
良かった、凄く気さくな人たちだ。中には外人の方もいらっしゃったりしてワールドワイド。満を持して水着に着替え入る。おおおお、外は雪で寒いが中は暖かく天国のようだ。次第にかいてくる汗。
「じゃあ一発目のロウリュいきますか!」
テントサウナパーティ主催のまこっちゃんがアッツアツのサウナストーンに水に浸かったヴィヒタをブンブン振りまくる。
ジュン、ジュワーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!
熱気が来る来る。たまらない。テント内でもヴィヒタを振り回す。蒸気がテント内を循環し最高空間に変貌していく。ロウリュを三回ほど繰り返したあとは、いつもならお待ちかねの水風呂タイム。しかし、ここは町役場。水風呂なんてどこにもない。
「雪にそのまま飛び込みましょう!」
まこっちゃんからの号令で次々にテントから出た人間が雪の中にダイブする。
水とは違ったひんやり感。外の外気も手伝い瞬く間にトランス状態。
「最高だな」
自然に口から出てしまった。そこからテントサウナパーティのはやーん(はじめてのサウナ筆者、皆買ってね!)、なおさん(地主)も良くしてくださりセッションを繰り返しここ5年間で最高の一日になった。テントサウナにハマった僕は、あらゆる場所で行われるテントサウナパーティに参加した。
琵琶湖、岐阜のキャンプ場etc…
そのどれもが最高だった。
そして5月。僕が住んでいる愛知県最大のフェス、森道市場にテントサウナパーティが出店する事に。僕はフジロックなど音楽フェスに行くのが趣味でもあり、フェスにテントサウナ?!とんでもないじゃん!!!!と血湧き肉躍った。当日は外ではジャンジャン色んなアーティストのライブが行われている。
その中でやはり思っていた通り異色を放つテントサウナと特設プール。その中から汗だくの老若男女が恍惚の顔で出てくる。
えええええ??どういうこと???フェス参加者には完全にホラーの世界でした。ここで僕はある男の人をテントサウナでナンパした。その男の人は首にはしきじのタオル、頭にはサウナハットを被っていた。見るからにサウナ愛好家だ。名前はうっちーくんというらしい。聞いてみると3月に行われたサウナ祭りにも参加したと。僕が住んでいる所からも偶然近い。年も僕と一つ違いだ。愛知にもこういう人がいるんだなと嬉しくなった。テントサウナパーティの面々しかり、サウナは人を結びつけると強く感じた。
その日はサントリー様が無料でプレミアムモルツを配布しており無限に飲みまくり全員泥酔。酔っ払いながら入った月明かりの中の水風呂プール。ボケーっとした中で聞こえてくるのは往年の名曲、オリジナルラブの接吻。僕はこの瞬間を一生忘れないだろう。
そこから同じ愛知県のフェス、橋の下音楽祭にも出店。地元の人は絶対入らないと豪語する汚い川にも有無を言わさず飛び込む。まこっちゃんがここは日本のガンジス川や!!!と絶叫していた。
狂っている。大好きだ。
その頃くらいには、ちゃんくにはテントサウナパーティ東海支部やねと言ってくれていた。そして次の月、福井の山奥で行われるテントサウナパーティで思わぬ再開を果たす。福井の有志たちが大勢参加してくれたこの回に、森道市場でナンパしたあの男性うっちーくんが来てくれた。今度は奥様やら仲間も引きつれて。
僕は嬉しくなった。まさか再会できるとは。こういうのは得てしてその場限りの出会いだと思っていた。しかしまた会えたのだ。そこからは一緒にサウナセッションしたり、連絡先も交換したりした。後日、僕がおススメした銭湯サウナにも行ってくれたりもした。うっちーくん界隈ではサウナ愛好家が多く、その仲間たちもナイスガイ&ウーマンで速効仲良くなった。
一緒にサウナハット作りもした。
音楽フェスにも一緒に行ったりした。
ある日、その仲間内でテントサウナ買わないか?という議題が上がったので間髪いれず僕もそれノリます!と発言。話はトントン拍子で進み、それから間もなくフィンランドからテントサウナが届いた。遂に僕は(共同で)テントサウナを手に入れたのだ。
憧れのテントサウナ。
グループに名前をつけようと仲間内のまとめ役イマイさんとカジさんが言った。それぞれ案を出し合い決選投票で名前が決まった。
【Chilli Sauna Club】
Chiliな熱さでChillしよう。名前も付き一体感が増した。そこから岐阜の山奥をホームとし、琵琶湖やイマイさんの別荘でもテントサウナを開催。マイテントサウナはととのいがもう一段階違う気がする。最高だ。来年には僕のもう一つのホーム、テントサウナパーティとの合同琵琶湖イベントも行う予定だ。
友達も知り合いも少なかった知らない土地で今は沢山の仲間や友達が出来た。それは大げさでもなくサウナのおかげだと思っている(あとツイッタ―)
二年前、孤独感に襲われていた僕に言いたい。
お前の好きなサウナがお前を救ってくれるぞ。サウナで健康になりましたなどよく聞くが僕は精神面で凄く救われた。これからも出来る限りサウナに入り、また新たな出会いに感謝していくだろう。
記事を書いた人
Chiliな熱さの後はChillしよう。名古屋怪奇テントサウナ楽団#ChilliSaunaClub ロウリュ担当
記事楽しく読ませていただきました😊