あかすりで天国へ行こう

あかすりで天国へ行こう

サウナイキタイ アドベントカレンダー 2日目の記事です。

サウナ愛好家のみなさまこんにちは。
今、空前のあかすりブームを迎えている女です。
サウナ通いを始めてもう数年経つのですが、自分のなかであまりにも日常生活の一部になってきたせいか、贅沢にも

もっと刺激がほしい!

と思うようになった。

「ととのう」感覚にも慣れてしまい、サウナ通い初期のあの感動や高揚感はもう味わえないのかな……と感傷に浸っていたとき、友人から

「じゃあ、あかすりしたらいいよ」

と言われたのだ。

(は? あかすり? わたしが言っているのはそういう物理的刺激ではないんだけど……)という顔をしたせいか、友人による怒涛のプレゼンテーションが始まってしまった。

なんでも、あかすりをすると

■サウナ室の熱さ、水風呂の冷たさをより感じられるようになるため、ととのい度が爆増する
■古い角質や毛穴の汚れ、余分な皮脂が落ちることで汗が出やすくなり、ターンオーバーが促進されK-POPアイドルの肌になれる
■天国に行ける

らしい。

天国……?

どういうこと……?

【あかすりデビュー】

わたしのあかすりデビュー戦は2022年元旦。
昨年末、よく利用しているスーパー銭湯から「元旦にあかすりをすると、先着でオリジナルバスタオル(かわいい)をあげますよ」といった内容のお知らせが届き、
バスタオルほしさに人生初あかすりに挑戦することとなった。

外は猛吹雪でホワイトアウト状態になっているにもかかわらず、バスタオルをもらうためにあかすりに行くと言うわたしを、親族はいろんな意味で心配していた。

遭難しかけながらもなんとか施設に到着し、受付で「基本コース(あかすりとボディシャンプーとリンパマッサージ)」なるものを予約して、
念願のバスタオルとあかすり予約者の証であるレインボーカラーのリストバンドを受け取った。
予約時間になったらこのリストバンドを着けて、あかすりコーナー付近をうろうろしていればよいらしい。

デビュー戦に向けて、わたしは友人からあかすり必勝法を叩き込まれていた。その必勝法とは、

あかをためる

ということだ。

この日のために、わたしは1週間前から
・身体をタオルではなく手で洗う
・運動してたくさん汗をかく
・(毛穴の汚れが落ちてしまいそうなので)サウナに行くのを控える
ことを徹底してきた。

また、あかすりを受ける前は
・肌を柔らかくするために、熱すぎないお湯に20分程度浸かっておく(熱すぎるお湯やサウナだと肌がかたい状態のままなのであかが出にくいらしい)
・シャンプーやボディソープは使用しない(肌に膜ができてしまうためあかが出にくいらしい)
ということも学んできたので準備は万端だ。

予約時間になると、優しそうな女性スタッフに名前を呼ばれ、施術台に案内されるやいなや「はい♪」とマスクと紙パンツを手渡された。
中学生男子脳を持っているわたしは、「うお~~~! 紙パンツだ~~~!」と騒ぎそうになったが、ふざけられる雰囲気ではなかったため、おとなしく装着した。

施術台に仰向けになると、目元に冷たいタオルを乗せてもらえたのだが、これがまじで超気持ちよくて最高だった。
この冷たいタオルを乗せてもらう瞬間だけでも1000円くらいの価値があると思う。

その後、全身に絶妙な温度のシャワーをかけられ、ボディソープらしきものを塗られ、いよいよあかすりがスタート。

痛い……

それは、本当にあかすりタオルを使用しているのだろうかと疑念を抱くほどの痛みであった。また、同時にわたしの脳内にはこの絵が浮かんでいた。

デッキブラシ。

「力加減いかがですか」と施術師さんに聞かれ、強がって「ちょうどいいです」と答えてしまったため、
約30分間デッキブラシで擦られる床の気持ちになり続けた。

あかすりのあとはボディシャンプーとリンパマッサージをしてもらい、終了。
心なしか身体が軽い。あかすりコーナーを退出する際、自分が寝転んでいた施術台にふと目をやると、
もう一人自分が作れるのでは? と思うほど大量のあかが残っており、謎のやり遂げた感があった(汚い話をしてしまい申し訳ありません)。

【天国への扉】

さて、ここからが本題だ。わたしの頭の中では友人のあの言葉が繰り返されていた。

「天国へ行ける」

話を聞いたとき、大袈裟だな~と揶揄したが、友人は真剣な面持ちで「天国はあります!」と断言しており、某研究者を彷彿とさせた。
当時、彼女を信じたように、友人のことも信じたい。

あかすり後のサウナは……。

・サウナ室
サウナ室の一番熱いところに座って(友人は、あかすり後にサウナ室の熱さをより感じられるようになると言っていたが、単純に肌がヒリヒリしているせいだと思う)、いつものように焼肉やK-POPアイドルのことを考えていると、あることに気がついた。
普段は全身に毛穴が数か所しかないのかな? と思うほど一定の部分からしか汗が出ず、それもダラダラ……ドバドバ……という感じで噴出されていたのだが、あかすり後はすべての毛穴からサラサラサラサラサラサラ……と流れていくのを感じたのだ。

・水風呂
水風呂は特に違いを感じた。今まで水着で水風呂に入っていたのかと思うほど、水の肌への当たり方、冷たさの感じ方が違う。
いつもならすぐにできる「羽衣」がまったくできず、ずっと冷たさを感じる。
普段、水風呂は1~2分ほど入るのだが、1分経たないくらいで満足してあがった。

・外気浴
氷点下・猛吹雪・ホワイトアウトのトリプルコンボを受ける。
猛吹雪のなか「全裸で外のベンチに座る」という行為は非日常すぎてかなりテンションがあがる。
台風や大雨のときの外気浴も好きだ。悲しいことがあった人はぜひ天候が大荒れの日に外気浴をしてみてほしい。

・休憩
サウナ室横のベンチで休憩しようと、露天風呂から室中へ戻ったとき、その瞬間は訪れた。

グワ~~~~~ン

グワ~~~~~~~ン

(※グワ~ンというのはわたしが勝手に考えたととのうときの効果音です)

頭をブン殴られたのかと思うほどの強烈なととのいを感じた。
これが友人の言う天国かどうかは不明だが、確実に雲の上くらいまでは行けた気がする。

【あかすりパワー】

なぜこのような強烈なととのいを感じることができたのか。

真冬のトリプルコンボ外気浴の効果じゃない? と思う方もいると思うが、あれから月1~2回のペースであかすりに通っているわたしは、この夏も同じ工程で雲の上まで行くことができた。
サウナ室で汗をかきやすくなったこと、水風呂の感じ方が変化したことなど、さまざまな要因があるのだろう。
まだまだあかすりビギナーのわたしは、これからも友人とともに研究を重ねて、天国を見つけたいと思う。

もうあかすりなしじゃ生きられない身体になってしまった……。

「今年の汚れ、今年のうちに」というCMがありますが、みなさまもぜひ年内のサウナ活動にあかすりを加えてみてはいかがでしょうか。
爽快感が得られるうえ、すべすべ・もちもち・つるつる・ぷりぷり4つのお肌の能力者となれます。

また、あかすりマスターのお兄さま・お姉さま、あかすりができるおすすめの温浴施設やあかすりの秘訣などがあれば教えていただけると嬉しいです。

【さいごに】

あかすり後、保湿をしないとまじでヤバい。