国際サウナ会議レポート!サウナイキタイの情熱に、世界が大興奮

国際サウナ会議レポート!サウナイキタイの情熱に、世界が大興奮

日本代表にサウナイキタイが大抜擢!

4年に一度開催されている、国際サウナ会議(International Sauna Congress / 以下ISC)。各国からサウナ関係者が集結してプレゼンテーションと国際交流が行われる、いわばサウナのサミットです。

主催は国際サウナ協会(以下ISA)で、前回2018年の日本代表プレゼンテーションは、タナカカツキ先生が担当されていました。各国大使から爆笑をかっさらったエピソードは、マンガ『サ旅 ハパランダ編』で読むことができます。

2022年は日本代表として、ISA協会理事であるスカイスパの金社長がプレゼンする予定でした。しかし、サウナイキタイがISAに加盟したことを知り「せっかくならチャレンジしてみては」と声をかけて頂いたことがきっかけで、なんと日本代表に大抜擢! 

サウナイキタイ、世界デビュー。
今回のISCに同行させていただいたSaunaCamp. 目線でその歴史的な1日をレポートします!
参考記事 第18回国際サウナ会議に参加してきました

メッセ都市「シュトゥットゥガルト」で開催

2022年のISC(国際サウナ会議)は、世界最大のサウナの展示会「INTERBAD」が行われているメッセ会場で行われた

今年のISC開催地は、ドイツ南部の都市シュトゥットゥガルト。大型の展示会場が立ち並ぶメッセ都市として知られていて、世界中からビジネスマンが集まります。

ISCは開催国が毎回異なっていて、前回はスウェーデンのハパランダでした。今年は世界最大のサウナ機器展示会「INTERBAD」がメッセで開催されることもあり、ISCも同じ会場で開催となったようです。

サウナスパ協会の皆さんは「今回は会場にサウナがない」と口々に話していたので、例年はもっとサウナに入れるようです。会場でサウナに入りたかった!

各国代表のプレゼンテーション

ISCは3日間にわたって開催されました。初日は医学、社会学、スポーツ科学などのプロフェッショナルがサウナについての最新の研究を発表。2日目からは、各国代表によるプレゼンテーションという流れになっています。

トップバッターは、ドイツの医学プロフェッサーからのプレゼンテーションでした。医学用語オンパレードの超ぶっちぎりアカデミックな内容…めちゃくちゃ難しい…。さすがドイツ、サウナと医学の国だということを改めて実感します。

学術系でおもしろかったのは、ハイデルベルク大学医学部ヤン・シーメンス博士によるプレゼンテーションでした。テーマは、生き物はいかにして「熱い」「冷たい」を知覚しているかについて。そして外環境が変化しても身体が体温を一定に保つ(いわゆるホメオスタシス)ために、生き物の身体でなにが起こっているのかという研究発表でした。

終わったあと博士に質問に行き、「極論をいえばすべては脳が受け取る電気信号とおっしゃっていましたが、それならサウナは電気信号のみで体験できるのでは?ぼくらはバーチャルサウナの可能性を知りたい!」と聞いたところ「君たちおもしろいな! 理論的には可能だね!」という返答が返ってきました。おぉ、これが実現したら宇宙でもサウナに入れるのでは!?と興奮します。

「ただし熱い冷たいというより、ずっと “痛い” だろうから、まったく気持ちよくないと思うけどね。ハハハ!」と爆笑されていました。Oh Mann! そいつはダメだ。残念だったけど、博士号をもってる人にサウナの未来について質問できるって、すごい贅沢ですね。ISC、めっちゃおもしろい。

ヤン・シーメンス博士との記念写真 https://twitter.com/JanSiemens2/status/1585319728209596416/photo/1

2日目からは各国代表からのプレゼンテーションでしたが、今年のテーマは「ビジネス」と「エネルギー問題」。欧州はエネルギー問題が日本よりもさらに深刻なので、どのプレゼンテーションも正直いって重々しくてつらいものでした…。会場全体に「この先どうすればいいんだろう」という不安が渦巻いているのがわかりました。

サウナイキタイ登場!

そんなちょっと重い空気のなか、いよいよ日本代表、サウナイキタイが登場です。

これまでスーツ姿の登壇者が多かったので、サウナイキタイパーカーを着て登場したありさんの「IT企業なもので」感がすごい。サウナ界のマーク・ザッカーバーグ現る。なんだか胸が高鳴ります。

サウナイキタイはサウナ施設をデータベースから検索できること、サ活がソーシャルメディアとして機能していること、サ飯やサ旅というカルチャーなど、あらゆる面でユーザーをサポートしていることをプレゼンテーションしました。

混雑度データや休憩イスの数まで網羅しているというパートでは、会場から驚きの声があがります。「Chair…why…(なぜそこまで)」のようなつぶやきもちらほら。慣れきってしまっているけど、改めて冷静になってみるとクレイジーですよね、サウナイキタイ。

そして「サウナにTVがあるかないかも検索できます」とスライドを見せると、会場がドッと湧きました。オー、テレビジョン、クレイジー! 鉄板ネタ、いまだ世界で健在のようです。本当に驚きらしい。世界のみなさんもサウナでW杯とか観てみたらいかがでしょう、めちゃくちゃ熱くなりますよ。

プレゼンテーションが終わると、大きな拍手が湧き起こりました。

なんだよ!明るいじゃないか!
サウナの未来、明るいじゃないか!
やっぱりサウナって最高だよな!

そんな声が聞こえてくるようでした。重い空気はどこへやら。各国からの参加者には、笑みがこぼれていました。すごいぞサウナイキタイ! 手応え十分!

質問とリクエストが殺到

国際サウナ協会の会長、リスト・エロマーさん

プレゼンテーション後は、質疑応答が行われました。誰よりも先に手を挙げたのは、なんと国際サウナ協会の会長であるフィンランドのリスト・エロマーさん。サウナイキタイに投げかけたのは、質問ではなく感謝の言葉でした。

「サウナイキタイがこの場でプレゼンテーションしてくれたことを誇りに思う」

エロマーさんは以前よりサウナイキタイのコンセプト、サウナに対する姿勢に共感の意を示してくれていました。ビジネスとエネルギー問題がテーマではあるものの、サウナイキタイ のプレゼンテーションに枠組みを超えた「サウナ愛」を感じ取ってくれたからこそ、この言葉をいただけたのかなと思います。日本のサウナ愛好家のひとりとして、誇りを感じずにはいられませんでした。

次の質問がまたすごかった。
ノルウェー代表の質問は「サウナイキタイにはレーティング(星評価)がないと聞きました。プレゼンテーションの途中に何かの順位が出ていたけど、あれはどうやって決まったのですか?」という内容でした。完全にサウナイキタイを理解している人の質問! ユーザーの「イキタイ」(wanna go)の数に基づいているという回答にとても満足していました。

アメリカ代表の質問は「どうやってビジネスにするの?」でした。Tシャツやカプセルトイを売っていると説明して画像を出すと、またも「トイ・サウナ! ワンダフル!」という大きなリアクション。やはり「愛でる」という感覚はあまり他国にはないのかもしれません。

そして、世界中のサウナを紹介した伝説の紀行書『SWEAT』の作者であり、現在は多国間の人道支援プロジェクト「SAUNA AID」のリーダーも務めるアメリカのミッケルさんから、核心的な質問が飛び出しました。

テントサウナを使った多国間の人道支援プロジェクト「SAUNA AID」を主催するアメリカのミッケルさん

ミッケルさん
「サウナイキタイは、おれたちの国で使えるようにならないのかい?」

ありさん
「いつか、やりたいと思っています」

ミッケルさん
「言ったね!聞いたよ!?」

湧き起こる大きな拍手!この拍手の大きさは、3日間通して一番だったと思います。サウナイキタイ世界版。少し妄想しただけで、ワクワクが止まりません!

質疑応答が終わった後は、各国の協会員たちがありさんと名刺交換するために列を作るほどの大反響。サウナイキタイの情熱が世界に伝わった歴史的な光景でした。すごい、すごすぎる。

世界のサウナ愛好家がつながる未来

オープニングセレモニーはロウリュから始まりました。石がちゃんと温まっているのでマイクでロウリュの音も拾う徹底っぷり。

ISCに参加した3日間、各国のサウナ愛好家とたくさん出会うことができました。サウナがほとんどないバンクーバーで夫婦ふたりでサウナを営む人、サウナの映画を作っている人、各国の熱心なサウナ愛好家と話す時間は本当に貴重で楽しいものでした。

さまざまな国の話を聞いてわかったのは、公衆サウナ事情はどの国にも共通する部分があるということ。単なるリラクゼーションや衛生の場という旧来から担ってきた役割だけでなく、他人との交流、人間性の回復など、社会的価値が再発見されているんですね。

そしてどの国にも、愛好家同士の交流がある。日本はサウナイキタイが交流や熱量を可視化してくれているから、世界から見るとそれが「うらやましい!」ってことなんだと話をしていて感じました。

〝いつか世界のサウナ愛好家が繋がり、交流が図られたら、どれほど面白いだろう〟

会場がその未来を夢見たのが、手に取るようにわかりました。世界中のサウナ愛好家と交流できる未来って、理屈抜きでワクワクしますもんね。ISAができたきっかけだって、元をたどればそういうことなのかもしれません。

自分たちの世代でこれが実現されるとしたら、きっとサウナイキタイが台風の目になるはず。そんな期待感が、会場に名刺交換の列を作ったように感じました。ISCの参加者は年齢層が比較的高かったので、若い世代がもっときていたら、この盛り上がりはさらに加速していたんじゃないかなと思います。

「フィンランドのサウナに行きたい」から「フィンランドにいるアイツがやってるサウナに行きたい。会って一緒にサウナに入りたい」のようになれば、世界中のサウナがもっと面白くなるはずですよね。いいなあ。楽しみすぎるでしょ、そんな未来。

エロマー会長、日本サウナ団のみなさんと記念写真。参加させていただき、ありがとうございました!

最後に、アメリカのミッケルさんに代わってもう一回聞いておきますね。

サウナイキタイのみんな、
世界版やるって言ったね!
聞いたよ!?

さて次回からは、ドイツのサウナ施設やサウナカルチャーを紹介していきます。お楽しみに!